白石和彌監督、横浜聡子監督『SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024』審査委員長に決定

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デジタルシネマにフォーカスし、映像表現の可能性とエンタテインメント性を備えた作品を世界中から厳選し上映する国際コンペティション映画祭『SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024(第21回)』のラインナップ発表会見が6月7日、都内で行われた。

今年は過去最多となる102の国・地域から1201本(長編:1015本、短編:186本)の応募があり、厳正なる審査の結果、国際コンペティションには、北欧、中東、南米など揺れ動く世界各地から届いた日本初上映作10本がノミネートされた。

国際コンペティションの審査委員長を務めるのは、『孤狼の血』『死刑にいたる病』といった話題作を手がけ、現在『碁盤斬り』が公開中の白石和彌監督。2009年に、長編監督デビュー作『ロストパラダイス・イン・トーキョー』でSKIPシティアワードを受賞しており、「映画を作る人生のスタートが切れた。15年経った今も、こうして映画を撮り続けていることは、本当にありがたい」としみじみ語り、「たくさんのクリエーターが生まれている、国内でも貴重な映画祭」と若手映像クリエーターの登竜門としての意義を強調した。

会期中は、観客とともに作品を鑑賞し、審査する予定で「それもまた映画祭の醍醐味。僕自身も映画祭を楽しみたいし、四半世紀を経て、これからも続いていただけるよう、精いっぱい盛り上げたい」と意気込みを語った。

白石和彌(国際コンペティション審査委員長/映画監督)

また、独自の作家性が国内外で評価される横浜聡子監督が、国内コンペティションの審査委員長を務めることが決定した。国内コンペティションには長編6作品、短編8作品がノミネート。ホラー、時代劇、ロードムービー、アニメーション、ヒューマンドラマなど、趣やジャンルの異なる意欲作が揃い、日本映画の未来を切り開く新たな才能の息吹に、いち早く触れる機会となっている。

横浜監督は「大きな映画祭で、若い作家が、自分の映画を他者に見てもらうことは、とてもうれしいこと。同時に批判や厳しい意見と向き合わなければいけない」と語り、「私も自主製作した作品を、人に見つけていただき、今ここにいられる。今回は、若い皆さんにさらなる高みに向かっていただけるよう、応援の言葉を探したい」とこちらも強い意気込み。「自由で刺激的な作品に出合えることを楽しみにしています」と期待を寄せた。

横浜聡子(国内コンペティション審査委員長/映画監督)

オープニング作品は、2020年にデビュー作『写真の女』がSKIPシティアワードに輝いた串田壮史監督の最新作『初級演技レッスン』。また、白石監督、横浜監督を招き、それぞれの監督作品『止められるか、俺たちを』『ウルトラミラクルラブストーリー』を上映し、若手映画監督に向けて商業映画監督としての経験を語る特集「商業映画監督への道」を開催する。

串田壮史(映画監督)

『スタンド・バイ・ミー』『ショーシャンクの空に』など、アンケートで選ばれた4作品を大型スクリーンで上映する「みんなが見たい上映作品」、イルミネーション製作の人気アニメ『ペット2』『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を上映する2夜連続「野外上映を楽しもう」など、より幅広い層が楽しめるプログラムも実施される予定になっている。

会見には白石監督、横浜監督をはじめ、大野元裕(SKIPシティ国際映画祭実行委員会会長/埼玉県知事)、奥ノ木信夫(実行委員会副会長/川口市市長)、八木信忠(映画祭総合プロデューサー)、串田壮史(オープニング作品『初級演技レッスン』監督)、土川勉(映画祭ディレクター)が同席した。

取材・文・撮影:内田涼

<イベント情報>
『SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024(第21回)』

スクリーン上映:2024年7月13日(土)~21日(日)
オンライン配信:2024年7月20日(土)~24日(水)
会場:SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ映像ホール ほか

■内容
国際コンペティション、国内コンペティション(長編部門、短編部門)ほか

公式サイト:
https://www.skipcity-dcf.jp/

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