和歌山市職員の公益通報後自殺・市が公正職務審査会開催へ

和歌山市の不正支出を公益通報した男性職員が、その後自殺し、遺族が「公益通報者が守られなかった」として市に真相の解明を訴えた問題を受け、和歌山市は、きょう(7日)夕方、記者会見を開き、外部の有識者による公正職務審査会にはかり、男性職員の人事の配置などに不利益な扱いがなかったかなどを調査することを明らかにしました。

和歌山市の記者会見のもよう(6月7日・和歌山市役所)

遺族などによりますと、自殺した男性職員は、2018年5月に不正支出のあった部署へ異動し、書類をねつ造するよう指示され、それがきっかけで心身の不調を訴えて休職し、8月に不正支出を公益通報しました。その後、男性職員は別の部署へ異動し復職しましたが、2020年6月に自宅で自殺しました。

和歌山市では、関係する職員およそ120人から聞き取りを行って遺族に結果を伝えましたが、遺族は、今月(6月)1日に開いた記者会見で、公益通報後に処分された上司が男性職員と同じフロアの部署へ配属されたことから「報復人事と考えている」と指摘して、和歌山市に第三者委員会での真相究明や、公務災害への認定を求めました。

和歌山市では、2021年4月に設置された、職務上のコンプライアンスについて弁護士2人と大学教授1人の外部の有識者3人の委員が審議する、公正職務審査会を開き、改めて男性職員の人事配置などで不利益な扱いがなかったかなどを審議することを決めたものです。

和歌山市の大野矢雄(おおの・ちかお)()公正職務専門主幹は「処分を受けた職員の配置は定期人事異動に伴うもので、不適切だったとは考えていない。公益通報者の秘密は守られていると考えている」と見解を示しています。

和歌山市は、第1回審査会を今月(6月)下旬から来月(7月)上旬の間に開く予定です。

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