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被爆者に代わって体験を語り継ぐ伝承者として現在、226人が活動しています。その中で最年少となる20歳の伝承者が初めて講話を行いました。
増本夏海 さん。現在、大学3年生で、7日が初めての講話です。
被爆者に代わって、その体験を語り継ぐ「伝承者」として、2年の研修を経て、デビューすることになりました。
始まる1時間前に来て、会場で機材の使い方を確認…。
被爆体験伝承者 増本夏海 さん
「ここでお話するのは、練習含め初めてです。マニュアルもいただいていたんですけど、ちょっと自信がなかったので」
リハーサルも入念です。きょうは家族も付き添いに…
母 増本真澄 さん
「来てくれないの?っていう感じで。『娘のデビューの日だよ』って言われて。娘はあまり緊張してないようですけど、わたしの方がドキドキして…」
資料館地下で行われる「定時講話」は、来館者が自由に立ち寄って聴く仕組みです。
講話開始の20分前、増本さんは「定時講話」の存在を少しでも多くの人に知らせようとチラシ配りを始めました。
兵庫からきた小学生に語りかけます。
被爆体験伝承者 増本夏海 さん
「聴いてほしいなって思ったんですけれども、この後、予定がまだあるよね? 何するか、もう決まっとるんよね? じゃけえ、みんなが大きくなった後でもいいけぇ、何年後とかになってもいいけぇ、お姉さん、地下で待っています」
初めての被爆体験伝承講話 聴いた人の反応は?
増本さんが体験を引き継いだ、被爆者の 岸田弘子 さんも会場に到着しました。
被爆体験伝承者 増本夏海 さん
「コールタールのような、油っこいドロッとした黒い雨の粒が、真っ赤なトマトに流れていました…」
小学生の頃からつらい経験を語り継いでくれる被爆者のために何か役に立ちたいと思っていたという増本さん。具体的で落ち着いた話しぶりが、聴いた人たちに好評でした。
聴講した人
「画を使いながら言葉を聞くっていう発表になっていて、すごく印象的で伝わりやすいなと」
被爆体験証言者 才木幹夫 さん(92)
「こうして実際に若い人が一生懸命みなさんにお伝えしている姿、本当に感動しております。ありがとうございました」
増本さんが体験を引き継いだ被爆者 岸田弘子 さん(84)
「満点以上。平和の実現をしようという人をたくさん生み出したいという意気込みがすごい。自らがうずうずして(じっとして)いられないっていうのが、ほとばしってくるんです」
被爆体験伝承者 増本夏海 さん
「あ、この感じでできるんだ、この感じが平和のための活動になるんだ、わたし、今、できている!っていうのが、うれしい気持ちです」
増本さんの次の講話は、8月以降の予定です。