県医師連盟が現職推薦いったん取り下げ 「政策協定に齟齬」…救命救急センター新規指定の知事見解を批判、他候補推薦の可能性も示唆 鹿児島県知事選

 鹿児島県医師会の政治団体、県医師連盟(600人)は7日、県知事選に立候補予定の現職塩田康一氏(58)への推薦をいったん取り下げると発表した。池田琢哉委員長は会見で、救命救急センターの新規指定を巡る塩田氏の見解を批判。「(推薦時に結んだ)政策協定にも齟齬(そご)が生じている」と訴えた。

 13日の執行委員会で対応を協議する。今後示されるマニフェスト(政策綱領)の内容次第で他候補を推薦する可能性もあるとした。

 県は昨年12月と今年3月、「国の指定要件を満たす」として鹿児島市の米盛病院の救命救急センター指定を県医療審議会に諮問した。同市への集中や病院の診療態勢を巡って賛否が割れ、答申は出されていない。

 池田委員長は、塩田氏が6日の県議会一般質問で「センターの設置割合は他県と比べて低い。鹿児島市でも底上げが必要」と指定を進める考えを示したことに「非常に残念」と述べた。政策協定に盛り込んだ子ども医療費助成制度の充実でも「医師会が求める窓口負担ゼロと方向性が変わってきた」と不満を口にした。

 知事選では、新人で元自民県議の米丸麻希子氏(49)、同じく新人で市民グループ共同代表の樋之口里花氏(52)が立候補を表明している。

会見する鹿児島県医師連盟の池田琢哉委員長=7日、鹿児島市

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