栃木県庁かたり移転促す不審郵便物 宇都宮競輪場通り拡幅関連で 周辺の複数店舗に届く

栃木県庁

 栃木県が事業化に向けて本年度から調査を進める宇都宮市中心部の競輪場通りの拡幅整備に関連し、県庁の名をかたった郵便物が沿線周辺の複数の店舗に郵送されていたことが、7日までに分かった。一方的に設定した期日までの移転を促す内容で、県宇都宮土木事務所は「文書のみでこうした内容を伝えることはない」とし、注意を呼びかけている。

 同事務所によると、不審な郵便物は4月27日の消印で、同通り沿いの建物に入居する飲食業と買い取り業の2店舗に1通ずつ届けられた。差出人は「栃木県県庁」とあり、A4用紙2枚に2025年10月末を期限として移転を促す内容の記載があった。このうち1通には、早期移転時に支払う具体的な金額を示し、賃貸契約書や従業員の給与明細など書類の準備を求める記載もあった。

 問い合わせ先には県庁の代表番号があり先月、店の関係者や店舗を管理する不動産業者が県に相談。同事務所で郵便物を確認し、偽文書であることが分かったという。

 県は地権者ら約280人に注意を呼びかける文書を発送。県のホームページで注意喚起しているほか、宇都宮東署にも相談した。同事務所の担当者は「今回のような偽文書は聞いたことがなく、目的も不明。同様な郵便物や電話があれば事務所に問い合わせてほしい」としている。

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