なんと“ガリガリ君”年間4億本も売れる人気、アイス市場拡大 生産強化したい赤城乳業、さらに巨大工場を建設へ 数年で稼働、病院近くの敷地3万7620平方メートルで広大 自動車メーカー・ホンダに貸していた土地

赤城乳業が新工場の建設を予定する町有地=4日午後、寄居町用土

 人気アイス「ガリガリ君」で知られる赤城乳業(本社・埼玉県深谷市)が寄居町に新工場を建設することが4日、分かった。町は6月定例町議会初日の4日、町有地を赤城乳業に7億5321万円で売り払う財産処分に関する議案を提案し、21日の最終日に採決される予定。町産業振興企業誘致課の担当者は「赤城乳業は全国的にも有名な企業で、寄居町を選んでくれて大変ありがたい。より良い立地ができるように協力していきたい」と話している。

 町によると、町有地は同町用土の埼玉よりい病院の西側で、広さは3万7620平方メートル。3月まで自動車メーカーのホンダに貸し出されていた場所で、ふるさと自然の森用土公園の駐車場の一部も含まれる。昨年8月に赤城乳業から町に進出の意向が伝えられ、今年2月に町有地の払い下げの申請があり、4月に土地売買の仮契約を行ったという。

 赤城乳業は1931年に製氷業の広瀬屋商店として創業。64年に発売したかき氷「赤城しぐれ」が人気を集め、81年に発売したガリガリ君は現在年間で約4億本が売れるロングセラー商品となった。深谷市上柴町東の深谷工場は老朽化しており、2010年に本庄市児玉町に「本庄千本さくら『5S』工場」を新設した。アイスは近年の猛暑などの影響で、市場も拡大傾向にあり、生産体制を強化する。

 新工場は数年以内に稼働するとみられ、地域住民からも歓迎の声が聞かれた。町内の60代男性は「赤城乳業が来れば、地元の雇用にもつながり、地域の大きな起爆剤になる」と期待を込めていた。

© 株式会社埼玉新聞社