大槻智春 ドライバー選びの旅がいよいよ終着?「G400 MAX→G410PLUS」へ

大槻智春のドライバーのこだわりは(撮影/高藪望)

◇国内メジャー◇BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 2日目(7日)◇宍戸ヒルズCC西コース(茨城)◇7430yd(パー71)

大槻智春のドライバー選びは、実に面白い。

不動のエースはピンとの契約時代から使用している「G400 MAX」。昨年の「パナソニックオープン」優勝時も、2022年「ANAオープン」優勝時も、19年「関西オープン」での初優勝時も、手に握られていたのはその1Wだった。エースでずっと使えればいいものだが、「G400 MAX」は6年前のモデル。もう生産しておらず、ヘッドが割れてしまったら替えがない。試合を重ねながら、その後継を探しているのだった。

エースG400MAXは今週一旦お休み(撮影/服部謙二郎)

契約フリーの特権を生かし、ここ数年は各社の歴代ドライバーをだいたい試してきた。ピン以外だと、プロギア、タイトリスト、テーラーメイド、キャロウェイ、スリクソン、ミズノ、ヨネックス…と。おそらく日本中を探しても、これだけいろんなドライバーを打っている人はいないのではないか。「試合で使ってみないと分からないので」と、時おりツアーでもそれらのヘッドは登場し、昨年はタイトリストの「TSR1」、ことしに入ってからもプロギアの新しい「RS MAX」を序盤戦で投入。そして、「ミズノオープン」初日にはヨネックスの「EZONE GT Type-S」もバッグに入っていた。

実に守備範囲が広いように見えるが、やたらめったら試しているわけではない。大槻の1W選びには共通点がある。選ぶヘッドに「MAX」の名を冠したものが多いように「やさしいモデルが好み」ということだ。

ヨネックスのドライバーも試合で悪くはなかったが…(撮影/服部謙二郎)

「僕は毎ショット、100%で球を打たないんです。フェアウェイに置きたい時に60%で打つこともあります。そういう時につかまらないヘッドだと、右にペラペラーという球が出る。それがイヤ。だから(クラブにも)最低限のつかまりが欲しい」と、やさしいヘッドを好む理由を明かす。1W選びの共通項はもう一つあって、それは「音」。大槻はチタンヘッドの甲高い金属音を好む。「エースのピンのヘッドは音が高いんですよね。今回のプロギアのヘッドも甲高い音で良かった」とうれしそうに話す。

宍戸攻略に選んだG410 PLUSは46インチ(撮影/服部謙二郎)

そして今週、ティショットが難しい宍戸の攻略に大槻が選んだのは、エースよりさらに甲高い音のする「G410 PLUS」だった。「久しぶりに打ったら、けっこう音が高くて驚きました」というヘッドは、「少しでもキャリーが出てほしい」と46インチに設定してあり、エースに挿さる「ツアーAD DI」と同じ元調子である「ツアーAD UB」を装着。2日目は2番(パー5)で2オンに成功してイーグルを奪取。計測ホールの9番ではこの日310.31ydを記録するなど、新しい1Wがひとまずハマっている様子だった。

よし、これでひと段落…と思うのはまだ気が早い。新しいエース候補の「G410 PLUS」だって2019年モデル。だいぶ古いことには変わりはない。大槻のことだから、来週きっとまた違うヘッドを試すだろうな。(茨城県笠間市/服部謙二郎)

スパッと真っすぐなカオが好きと大槻(撮影/服部謙二郎)

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