樹氷再生へ種まき 蔵王山で県民会議

アオモリトドマツの種子をまく参加者。手前は昨年発芽した若芽=山形市・蔵王山

 山形市の蔵王山で樹氷を形成し、枯死被害が深刻なアオモリトドマツ林の再生に向け、官民一体の組織「樹氷復活県民会議」は7日、現地の試験圃場で種子2400粒をまいた。生育状況を観察し、将来的には植栽活動に使用する。

 県や山形市の担当者など、同会議の技術検討ワーキングチームに所属する約20人が参加した。圃場は4メートル四方の区画で、標高約1400メートルの蔵王ロープウェイ樹氷高原駅近くにある。昨年、現地で採取した種子を用意し、300粒ずつ8カ所に分けて埋めた。

 県民会議による種まきは昨年に続き、2回目。初回は800粒まき、現時点の生存率は約27%となっている。植栽が可能な20センチ程度に育つまで、最低でも6年はかかるという。

 アオモリトドマツは虫の食害で蔵王一帯の約15%に当たる約2万3千本が枯れた。特に地蔵山頂駅周辺の約16ヘクタールは枯死木のみとなっており、現地で採取した稚樹の移植活動が進められている。

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