井浦新、米国映画デビュー作は「役と自分が一つに」 カウボーイ姿も生披露

公開記念舞台あいさつに登壇した井浦新【写真:ENCOUNT編集部】

主演映画『東京カウボーイ』の公開記念舞台あいさつに登壇

俳優の井浦新が8日、都内で行われた主演映画『東京カウボーイ』の公開記念舞台あいさつに登壇した。初めて米国映画に参加した心境などを語った。

同作を手がけたのは、『男はつらいよ』の現場経験もあるマーク・マリオット監督。脚本はNetflix『忍びの家House of Ninjas』の脚本監督で話題のデイヴ・ボイルと、平成『ガメラ』シリーズ3部作やミシェル・ゴンドリー監督『TOKYO!/インテリア・デザイン』主演などを経て、現在は米国を拠点に脚本家としても活躍する藤谷文子が共作。米モンタナの牧場を舞台に、効率至上主義のサラリーマンのサカイ・ヒデキ(井浦)がカウボーイ文化に触れて人生を見つめ直すヒューマンドラマ。

カウボーイハットを被って登場した井浦は、本作について「台本は本当に丁寧に描かれている物語だった。何か飛行機が爆発してとか、カーチェイスがあってとか、宇宙旅行にとか、そういった物語はなくて、人と人との関わり合いの物語」と解説し、「見終わってここを出る頃には、皆さんの心の中が、みずみずしく優しい気持ちでうるおっているといいなと思います」と述べた。

また、米国現地での撮影を振り返って「日本からアメリカのモンタナへ、マーク監督の撮影現場へ僕は1人で向かっていった。英語もろくにしゃべれない日本の俳優が、バリッバリのアメリカの撮影隊の中に、本当にポツンと1人で毎日行きながら、いろんな人の協力やサポートを受けて、1シーン1シーン撮影していく。その自分の環境と、物語の中のヒデキとが、だんだんリンクし始めていくのを感じました」と述懐。

続いて「そうなってからは、『お芝居をして、ここはこんな顔をすれば成立するんじゃないかな』というような思考ではなくて、本当に自分がモンタナの大自然の中でたたずむときに、素直に心が感じている表情だったり、人と人との関わりの中で感じていく驚きや戸惑いを、自分の心の中の景色や表情を、そのまま表に出していく。お芝居はちゃんとしてはいるんですけど、本当にだんだん役と自分が一つになっていく、というようなところが、この作品では、だんだんとできて、表していくことができたらな、という風に(試みた)。成功しているか分からないですけど、そういうアプローチでこの役を演じていました」と語った。

舞台あいさつには、主人公の恋人マスダ・ケイコ役も務めた藤谷、音楽を担当したチャド・キャノン、マーク監督も出席した。ENCOUNT編集部

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