魅力伝える農業ツアー 県内学生グループ、親子招き定期開催へ 射水で施設見学、栽培キット作成 

学生に教わりながら栽培キットを作る参加親子=射水市寺塚原

 県立大工学部3年の藤田拓蔵さん(21)ら県内の大学に通う学生グループが8日、農業の魅力を伝えるツアー(富山新聞社後援)を初めて開催した。富山の農業を盛り上げようと、親子らを招いて今後定期的に実施していく。初回は約30人が豆苗やカイワレなどを栽培する射水市の「庄東ノーサン」を訪れ、施設見学や栽培キット作成、試食などを通して農業への関心を深めた。

 藤田さんは昨年秋ごろから県内産の米を使用したおにぎり作りに取り組んでおり、野菜を中心に多くの具材を試す中で、県内の農業の魅力や後継者不足などの課題を知り、大学の仲間に協力を呼び掛けてツアーを企画することにした。

 8日のツアーで訪れた「庄東ノーサン」では栄養価の高い野菜の新芽「スプラウト」が栽培されている。参加した親子らは施設を見学した後、生産者から一日に8千パック分が栽培されていることや、生育を温度や水で調整していることなどを学んだ。学生はペットボトルを使用した栽培キット作りを教えた。豆苗の収穫体験も行われた。

 藤田さんが調理した県内産の富富富やコシヒカリ、豆苗、カイワレ大根などを使用した弁当も振る舞われ、参加者からは「これまでよく知らなかったスプラウトを堪能できた」「今後も参加したい」との声が聞かれた。

 県内の各農家で同様のツアーを開催する方針で、共に活動する学生仲間も募っていく。藤田さんは「初めてのイベントで課題も多く見つかったが、魅力を伝えることができた。今後も継続させていきたい」と意欲を語った。

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