県内業況、2期ぶり改善 フィデア総研・5月動向調査、負担感は依然厳しく

 フィデア情報総研(秋田市)は、山形県内企業の5月の景気動向調査を公表した。自社業況判断指数(DI)はマイナス10.5となり、2月の前回調査と比べ5.4ポイント上昇した。2期ぶりの改善。先行きは0.3ポイント上昇のマイナス10.2でほぼ横ばいの見込み。同総研は「サービス業で好調企業が増えたことや、一部で価格転嫁が進んだことで、業況改善の動きがみられたが、総じてみればコスト高による負担感は依然厳しい」としている。

 自社業況DIは、業績が良いと回答した企業割合から悪いと答えた割合を引いた数値。項目別では「売上高」が2.4ポイント上がりマイナス5.6、「営業利益」が2.2ポイント下がりマイナス12.0、「人員・人手」が0.3ポイント下がりプラス28.0、「資金繰り」が1.6ポイント上がりマイナス10.4だった。先行きは「人員・人手」が改善、他は悪化の見通し。

 業種別では、建設は0.8ポイント上昇しマイナス29.3。公共工事、民間工事の減少傾向に加え、資材高騰による利益面の低下で経営環境は厳しい。製造はマイナス9.5で6.3ポイント上昇した。生産は好調ながら人員不足によって受注機会の損失が発生しているケースがある。

 卸・小売は1.7ポイント上昇のマイナス16.8。文具や書籍販売などの小売で買い控えがうかがえるが、節約意識による内食需要を背景に、酒類卸販売などで改善の動きがある。サービスは12.2ポイント上昇のプラス14.8。国内旅行需要の増加に伴い宿泊業が好調だった。警備や産業廃棄処分業などでは公共工事、民間工事の減少により業況低迷がみられた。業種別の先行きは建設、製造、卸・小売で改善、サービスで大幅に悪化を見込む。

 地域別では、村山南部、村山北部、置賜、庄内飽海が改善、最上、庄内田川が悪化した。先行きは置賜、庄内田川で改善し、他は悪化する見込み。

 【メモ】調査は5月1~15日にインターネットで実施し、対象の628社のうち374社から回答を得た。回答率は59.6%。

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