本県、出生率は1.22 出生数、婚姻数も過去最少

 県は5日、厚生労働省が公表した2023年人口動態統計(概数)について、本県分の概要をまとめた。女性1人が生涯に産む子どもの数を示す「合計特殊出生率」は1.22で、22年から0.1ポイント減少、過去最低を更新した。出生数、婚姻数も過去最少で、若年女性の県外流出などに加え、新型コロナウイルス禍での未婚化、晩婚化、晩産化の進行が浮き彫りとなった。

 合計特殊出生率は全国平均を0.02ポイント上回ったが、都道府県別の順位は前年から四つ下がり33位。出生数は5151人(前年比523人減)、婚姻数は2971組(同213組減)だった。

 県しあわせ子育て政策課は、出会いの場の減少を要因の一つに挙げ、婚活イベントの開催数、参加者数ともにコロナ禍前と比較して大きく減ったとする。一方「やまがたハッピーサポートセンター」のお見合いと交際成立の件数は、人工知能(AI)を活用したマッチングシステム導入などで伸びており、担当者は「成婚、出産につながってほしい」と期待する。

 県健康福祉企画課によると23年の県内の死亡数は1万6974人(前年比91人増)で、死因はがん、老衰、心疾患が上位三つを占めた。人口10万人当たりの死亡数で、老衰の263.3人は全国1位。自殺による死亡は156人(同28人減)だった。

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