吉田正尚 リハビリ出場の3Aで4打数1安打 「実戦でしか体験できないことが多かったので良かった」

吉田正尚(ロイター=USA-TODAY-Sports)

【米国マサチューセッツ州ウスター8日(日本時間9日)発】左手親指の付け根を痛め負傷者リストに入っているレッドソックスの吉田正尚外野手(30)が傘下マイナー3Aウスターのロチェスター戦でリハビリ出場し、4打数1安打だった。試合はウスターが8―2で勝った。

初めてマイナーリーグの試合に出場し、メジャーと同じ背番号7を着けた吉田は「2番DH」で先発。テーマとしたのは「実戦が久しぶりだったので、投手の(生きた)球を感じられるか」。初回の第1打席は先発右腕アドンに対しカウント2―2からの5球目、低目いっぱいに来た81マイルのカーブにタイミングが合わずに泳がされたが、バットの面を残す技ありのスイングで一、二塁間を破る右前打を放ち、続くソガードの3ラン本塁打で生還。序盤の大量リードに貢献した。

ただ、何安打を放ったかという結果ではなく、バットの芯を外した打撃も含めどのような衝撃や患部への反応があったのかなど、今回のリハビリで重視すべきは内容の方になる。吉田は2回、先頭で迎えた第2打席で2番手右腕ウォールターズの初球、93マイルの内角ストレートに詰まらされ、ボテボテの遊ゴロに倒れるのだが、この「差し込まれた」打席のあと、「その次も打席を迎えられたので、そこに関しては良かったと思う」と振り返った。そして「上(メジャー)では結果が欲しいが、下(マイナー)では内容だったり、そういうところになると思うので、そういう意味では実戦でしか体験できないことが多かったので良かった」と大きく頷いた。

第3打席は中飛、第4打席は左飛に倒れ、どちらも打球に伸びはなかったが、「球の見え方もそんなに悪くなかった」と話した。

メジャーの選手がマイナーの試合にリハビリ出場する際の『暗黙のルール』、あるいは昔からの慣習として、吉田は試合後、チームメイトに豪華なディナーを振る舞った。メニューは「お肉を、自分で決めました。ステーキですね」。試合が終わる直前に球場を後にした吉田は、週明けのメジャー復帰に向けた総仕上げとしたい翌日のマイナー戦に備え、通訳の山口雄太郎氏が運転するレンタカーで自宅のある約70キロ東の大都市ボストンに戻った。

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