佐藤凌我の季節到来 J1アビスパ福岡のストライカー、超好相性の天皇杯初戦、九州ダービー「絶対に勝ちたい」

パスを受ける福岡・佐藤(撮影・穴井友梨)

J1アビスパ福岡のFW佐藤凌我(25)が9日、連勝継続への固い決意を示した。リーグ戦2連勝中で臨む公式戦は天皇杯初戦の2回戦、福山シティFC戦(12日午後7時キックオフ、ベスト電器スタジアム)。「カップ戦4強以上という目標をチームは掲げていて、それを達成できるのは天皇杯しかない。絶対に負けられないです」と力を込めた。

チームは連覇が懸かったルヴァン・カップで3回戦敗退。カップ戦4強の目標を達成するには天皇杯で勝ち進むしかなくなった。さらに自分自身の〝目標達成〟も懸かる。佐藤は昨年9月に左膝に大けがを負い、ルヴァン・カップ決勝のピッチに立てなかった。「次は自分が国立(競技場)に立てるように」という誓いを今季中に果たすのも天皇杯決勝の舞台しかない。

その天皇杯で佐藤は昨季4戦4発。好相性を誇るばかりではなく、残したインパクトも大きい。2022年、当時J2の東京V時代はJ1川崎を破るゴールをマーク。昨年の初戦ではオーバーヘッドキックで移籍後初ゴールを決めた。「アビスパに来ての初ゴールも天皇杯だったので、すごく楽しみな大会」と笑顔を見せた。

さらに「負けられない試合」が続く。16日のリーグ戦はホームで鳥栖との九州ダービー(午後3時30分キックオフ、ベスト電器スタジアム)。昨季のホームは相手がレッドカードで10人になりながらも0―0のドロー。「ほぼ負けに近いような引き分けだった。アビスパのサポーターの方はほとんどブーイングをしないのですが、その方々があれぐらい熱くなる試合。絶対に勝ちたいと思います」と燃える。

5月11日のアウェー京都戦で復帰後初ゴールをアシストしたシャハブ・ザヘディが契約を延長。イラン人ストライカーとの連係を「日に日によくなっていますね。本当に。1人で(ゴールまで)行ける力がある選手ですけど、自分が近くにいることで選択肢を増やせますし、(プレー中に自分を)見てくれるシーンが練習でも増えている」と手応えをつかむ。

昨年は6月7日の天皇杯初戦のオーバーヘッドから点取り屋の本領を発揮した。今年も佐藤凌我の季節がやってきた。(向吉三郎)

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