ナッツにドライフルーツに野菜に洗剤まで 量り売りで「乙に」買い物 バルクショップ

「バルクショップ」をご存じですか?
必要なものを必要な量だけ持参した容器に入れて購入できる、量り売りの店のこと言います。
去年、島根県出雲市にオープンしたバルクショップでは、いろんな商品が量り売りされています。

おしゃれな店内に、ガラスの瓶に入って並ぶのは、マンゴーやバナナなど様々な種類のドライフルーツに、カシューナッツやアーモンドといったナッツ。

出雲市今市町にある「バルクストア キノトマ」は、これらの商品を、好きな量だけ購入できる『バルクショップ』です。

バルクストア キノトマ 店主 青木麻衣 さん
「家から、空いた瓶とかタッパー(保存容器)とか持ってきて、好きな量を量って、レジで会計して持って帰るシステムです」

店内に並ぶ様々な商品を持ってきた容器に、自分で好きな量だけ入れて買うことができるバルクショップは、フードロスやごみの削減、そして、少量でも購入でき、
財布にもやさしいと、ヨーロッパの国々など、環境先進国で広がっています。

バルクストア キノトマ 店主 青木麻衣 さん
「もともと私は、パンや焼き菓子を焼いたりするけど、その中で、オーガニックのナッツやドライフルーツを普段使います」
「自分のところには、仕入れをするのである。ちょっとずつでも欲しい方がいるかもしれないと思って、"おすそわけ"の気持ちが思い浮かんだのが始めるきっかけです」

出雲市出身の青木さんは2018年に、Uターン。
当初は、店舗を持たずにパンを販売していましたが、パンに使うこだわり材料を
"おすそわけしたい"という気持ちから、去年3月、バルクショップをオープンしました。

バルクストア キノトマ 店主 青木麻衣 さん
「本当に乾かしただけ、素材そのもののドライフルーツが多いので、召し上がっていただくにも安心だし、それに、とってもおいしい、どれも」

この日、取材中に、店に野菜が届きました。

出雲市内の農家(スピラファーム)
「茎が伸びるタイプのカリフラワーで、茎がコリコリしてて美味しい」

キノトマでは、週に2日、地元農家で農薬を使わず育てられた新鮮な野菜の量り売りもしています。

さらに。


「私、きょう買おうかなと思っているのは味噌。あんまりない、調味料の量り売りっていうのは。ありがたい、日頃、使うもので」

他にも店内を見ると、こんなものも。洗剤の量り売りです。

バルクストア キノトマ 店主 青木麻衣 さん
「洗剤って、容器を買って、その中がなくなったら、詰め替えを買ってきて、それを詰め替えるというのが日常的だと思うけど、そうすると、詰め替えのパックすらゴミになってしまう。それもない」

「キノトマ」は、単なる量り売りの店ではなく、店主・青木さんの、食や環境へのこだわりが詰まった店。
その店名、漢字にすると、こう書きます。
”乙(きのと)間(ま)”

バルクストア キノトマ 店主 青木麻衣 さん
「甲が1番、乙が2番、丙が3番みたいに言われるが、『乙だね』という言葉があるように、『2番目だけど、ちょっといいね』みたいな言葉がある」
「『乙』は"きのと"と読むので、『みんなのちょっといい間にいるといいね』ということで、『キノトマ』という店名になった」

店からのおすそわけを「乙に」買い物。
そんな思いも込められたバルクショップは、これからの日本にもぴったりの店かもしれません。

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