最終ホールは圧巻バーディで「63」 石川遼はPO敗退も「優勝争いができることを証明できた」

惜敗したが大きな収穫を得て次週「全米オープンへ」(撮影/高藪望)

◇国内メジャー◇BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 最終日(9日)◇宍戸ヒルズCC西コース(茨城)◇7430yd(パー71)◇曇り(観衆8041人)

練習グリーンで最終組の終わりを待つ石川遼を、大ギャラリーが囲んでいた。首位に5打差の16位から出た最終日に1イーグル8バーディ、2ボギー「63」をマーク。通算13アンダーまで伸ばし、岩田寛とのプレーオフに持ち込んだ。

18番で行われたプレーオフはボギーで敗退。ティショットを右のラフに入れ、2打目は「フロントエッジにキャリーで乗せる勝負の仕方しかない」とPWを握ったが、グリーンに届かず3オン。アプローチミスもあってパーを逃がし、岩田に優勝を譲ったが、正規の18ホールは「本当に良かった」と圧巻のプレーだった。

出だし1番をボギーとしたが、2番から3連続でスコアを伸ばすと、6番(パー5)では30ydからチップインイーグル。首位と2打差に詰めた16番(パー3)のバーディは、ピン奥の傾斜を使って1m弱につけて大歓声を巻き起こした。

池越えの難関17番をパーで終え、18番に入るとロープ際には大ギャラリーが待っていた。ティショットは左のバンカーに入ったが、2打目はカップをかすめてピンそば数十センチにピタリ。湧き上がる歓声に両手を上げて応えると、“お先”のバーディで大会自己ベストスコアをマークした。

これまで10度の出場で、最高位は2010年の15位。「今週はすごく難しいと思いながらやっていたなかで、しっかり積み重ねてきたことを信じて、このコースで優勝争いができることを証明できた」と振り返った。次週は海外メジャー「全米オープン」(ノースカロライナ州パインハーストリゾート&CCパインハーストNo.2)に出場するため月曜に渡米。「現地に行ってはやくコースチェックをして、何が必要なのかを知りたい。自分の基準をブラさずに、しっかりやりたい」。2年連続8度目の全米オープンを良い状態で迎えられそうだ。(茨城県笠間市/谷口愛純)

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