【バレーボール】石川祐希が腰痛から復活 トレーナーが意識する「攻めのコンディション」とは

チームの3位入りに貢献した石川祐希

エースの体調管理とは――。バレーボールのネーションズリーグ(VNL)予選ラウンド男子第2週福岡大会で、日本は3勝1敗の好成績を残して世界ランキング3位に浮上した。福岡大会から合流した主将・石川祐希(28=ペルージャ)は昨秋に腰を痛めたが、愛知・星城高時代からトレーナーとして接する野口嵩広氏(スポーツケアルーム代表)との二人三脚でコンディションの回復に努めている。

石川は昨秋のパリ五輪予選前に腰を痛め、その後のイタリア1部シーズン中に再び悪化させた。11月後半から約3週間コートから離れたが、復帰後は主軸として過密日程を消化。要所で活躍を見せ、プレーオフでチームの3位入りに大きく貢献した。

シーズン後は短期間の休養を経て、代表活動に参加した。日本の目標は、パリ五輪で上位国との対戦が少なくなる世界ランキング5位以内に入ること。8日の福岡大会最終戦はスロベニアに3―1で快勝。パリ五輪でも対戦が予想される難敵を下し、大きな弾みをつけた。

その石川は、体のケアにも余念がない。野口氏は「プレーする中で急に痛くなってしまう腰痛だった」と明かした上で「スポーツをやっている以上必ず起きてしまうが、体幹の筋力、骨盤の位置を整えて、股関節が動きやすいような状態をつくって、体幹を安定させるようにした」と対策を説明した。

現在は体の疲労を取るだけでなく「攻めのコンディション」を意識しているという。「ケアだけじゃなくて、エクササイズも入れたりして、体の可動域をしっかりつくるようにした。必要なところにきっちり筋力が入る状態にするために、ベッドに寝るケアだけじゃない時間を多く取りたいという話を石川選手としながらやっていた」。体幹を鍛える器具「スラックレール」を使い、バランスを保つ動作や体をひねる動作を通じてケガをしない体づくりに励んだ。

日本はパリ五輪で、金メダルに輝いた1972年ミュンヘン大会以来、52年ぶりの表彰台を目標に掲げる。自身のパフォーマンスが勝敗につながるからこそ、現状に満足はしていない。石川は「個人的には3試合に出場したが、なかなかいいプレーを見せることはできなかった。合流して間もないので、少しずつ上げていければ。時間も短いので、とにかくいい状態でパリに向けて準備をしていきたい」と力を込めた。

次戦は18日に開幕するVNL第3週フィリピン大会。真夏の祭典を見据えながら、一歩ずつ心技体の完成度を高めていきたいところだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社