仏大統領、下院解散総選挙を発表 欧州議会選で極右に大敗

Michel Rose Tassilo Hummel

[パリ 9日 ロイター] - フランスのマクロン大統領は9日、国民議会(下院)の解散総選挙を発表した。欧州議会選で自身の与党勢力がマリーヌ・ルペン氏の極右政党に大敗する見込みとなったことを受けた。

6月30日に第1回投票、7月7日に決選投票を実施する。

マクロン氏は欧州議会選について、政権にとって厳しく、無視できない結果だと指摘。その上で「今こそ明確にすべき時だ」とし、「(国民の)メッセージと懸念を聞いた。応えないままにはしない。フランスは平静と調和の中で行動するために明確な多数派を必要としている」と述べた。

初期の出口調査によると、9日の欧州議会選で極右「国民連合(RN)」の得票率は約32%と、与党勢力(15%)の倍以上を獲得する勢いとなっている。

2027年大統領選の有力候補と目されるルペン氏は「(総選挙で)国民の信を得られれば、政権に就く準備はできている」と述べた。

マクロン氏の与党「再生」は現在、下院(定数577)の169議席、RNは88議席をそれぞれ保有している。

RNが過半数を獲得した場合、マクロン氏が国防・外交政策の指揮を執ることに変わりはないが、経済政策など内政の決定権限を失うことになる。

先行き不透明感を受け、ユーロは10日アジア時間序盤の取引で約1カ月ぶり安値を付けた。

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