ノーマ・ウィンストン、ECMからの新作はキット・ダウンズとのデュオ 11月には来日公演も

ヴォーカリストのノーマ・ウィンストン(Norma Winstone)が、ピアニストのキット・ダウンズとのデュオ・アルバム『アウトポスト・オブ・ドリームス』を、7月5日(金)にECMレコードから発表します。アルバム収録曲「The Steppe」が先行配信中。また、2人は11月23日(土)と24日(日)に東京・渋谷 美竹サロンで来日公演を予定しています。

イタリア・ウディネのアルテスオーノ・レコーディング・スタジオで録音されたアルバムは、全10曲収録。ダウンズが書き下ろした曲に加え、カーラ・ブレイ、ラルフ・タウナー、ジョン・テイラーの楽曲、さらに「Black Is The Colour」「Rowing Home」という2つのトラッド・ナンバーを収めています。

このデュオはほとんど偶然に結成されたとウィンストンはコメントしています。イギリスでの仕事の常連ピアニスト、ニッキ・アイルズがロンドンでのギグに出られなかったので、ウィンストンは代役をダウンズに頼みました。「キットに急遽お願いしました。彼と一緒に演奏したのは初めてでした。もちろん、彼は何でもすぐに弾けたし、素晴らしい演奏でした。それで、さらに何回かコンサートをしましたが、彼の演奏に対する冒険心に反応したのです。何が起こるかわからない、その良さが好きなんです」とウィンストンは語っています。ロンドン・ジャズ・ニュースが、ノーマの80歳の誕生日を祝ってコメントを求めたとき、ダウンズは「近い将来、また一緒に音楽の崖から飛び降りるのが待ちきれない」と書きました。「それが私たち2人の考え方よ。このプロジェクトが私たちをどこに連れて行くのか見てみましょう」とウィンストンは語っています。

ウィンストンにとって、音楽に言葉を加えるのは、内なるメッセージが湧き上がるまで楽曲と付き合うこと。「音楽の中にすでにある言葉を探しています。常にね。それが私のやり方なのです。そして、もし言葉が生まれたら、それはまるでいつもそこにあったかのように感じます」と言います。また、ウィンストンは「Out Of The Dancing Sea」のように、物語的なプロンプトに対してもオープンでした。

この楽曲について、ダウンズは「スコットランドの画家、ジョーン・アードレーは、自宅の庭から海を眺める同じシーンを何度も続けて描いていました。まったく同じ景色なのに、光や時間帯、彼女自身の気分や天候など、いつも何かしら違っていました。また、彼女はキャンバスを一晩中外に置いていたので、“自然”のかけらがキャンバスに付着したりします。これは、エイダン・オルークと私が書いた音楽のインスピレーションであり、ジェームス・ロバートソンが書いた彼女についての短編小説(『365 Stories』収録の「The Painter」)からもインスピレーションを得ました」と語っています。そして、ノーマは歌詞の中で、彼女なりのやり方でこの物語を取り上げました。

©Elmar Petzold/ECM Records

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