「NHLを見習って選手を送り出すべき」ブライス・ハーパーが要望する28年五輪での“MLBドリームチーム”結成は実現するか<SLUGGER>

2019年、23年に続いて3回目の今回も盛況のうちに終わったロンドンシリーズ。MLB機構がグローバル化を推し進める中、現役スター選手からより積極的な動きを求める声が出た。

メッツとのシリーズ第1戦を控えた8日(現地)、ブライス・ハーパー(フィリーズ)は2028年のロサンゼルス五輪に現役メジャーリーガーを送り込むべきだと語った。

「オリンピック以上にワールドワイドな大会はない」と語ったハーパー。「NHLはシーズンを3週間も中断して選手を送り出している。MLBもそれをにするべきだ」と“ドリームチーム”結成を呼びかけた。
周知のように、MLBはこれまでオリンピックにはメジャーリーガーを派遣していない。21年の東京五輪もマイナーリーガー中心の編成で臨み、決勝で日本に敗れて銀メダルに終わった。

一方、昨年の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、野手陣にマイク・トラウト(エンジェルス)、ムーキー・ベッツ(ドジャース)など“史上最強”の代表メンバーが集結。ハーパー自身も出場するはずだったが、22年オフにトミー・ジョン手術を受けた影響で断念さざるを得なかった。 3月に行われるWBCと違って、五輪が開催されるのは夏。そのため、“ドリームチーム”を編成しようとするなら、シーズンを中断する必要がある。当然、各球団は収入減を覚悟しなければならず、そのことが最大の障壁となる。

実現に向けてはいくつものハードルを越えなければならないが、WBCの成功により、アメリカ国内の国際大会への熱意は着実に高まっている。26年に予定されている第6回WBCに続き、28年の五輪でも“最強メンバー”を編成できれば、野球の国際化はもちろん、アメリカ国内でのMLB人気上昇にもつながる。

ハーパー自身、すでにMLB機構の関係者にも働きかけているという。ロンドンシリーズでは期待通りホームランを放ち、「以前から考えていた」というサッカー風のパフォーマンスを披露したハーパー。球界きっての“千両役者”がオリンピックの舞台で躍動する姿を、誰もが見たいと思うだろう。

構成●SLUGGER編集部

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