iPhoneにチャットGPT搭載、日本でもARゴーグル発売 アップル

Aditya Soni Max A. Cherney

[10日 ロイター] - 米アップルは10日に開催した年次開発者会議で、音声アシスタント「Siri(シリ)」などのアプリに生成AI(人工知能)技術「アップルインテリジェンス」を導入すると発表した。米マイクロソフトが出資する米オープンAIと提携し、「チャットGPT」を製品に取り入れる。

現行モデルでチャットGPTに対応するのは「iPhone15 Pro」などのみで、年内に新たな基本ソフト「iOS18」で利用可能になる。この日のプレゼンテーションでは、電子メールやカレンダー、アプリでの活用例が披露され、Siriがメールを書くなどの機能が紹介された。

またアップルは、他にもAI機能も追加する方針という。チャットGPTの利用は無料で、ユーザー情報は保存されない。安全性を重視するアップルとしては、プライバシーを機能の中核に据えることで、競合するマイクロソフトやグーグルとの差別化を図るとみられる。

このほか、拡張現実(AR)に対応したゴーグル型端末「アップルビジョンプロ」を日本や中国など8カ国で発売することも発表した。

AI分野で先行するマイクロソフトを追撃する姿勢を見せたが、投資家の期待値は高く、この日のアップル株は1.9%安で終了した。ただ、今回のイベント控え先月は13%上昇していた。

フォレスターのアナリスト、ディパンジャン・チャタルジー氏は、イベントで予想以上の発表はなかったとした上で「アップル・インテリジェンスは小規模だが有意義な形でユーザーを喜ばせるだろうが、ライバル企業と同水準にはなっても抜きんでるものはない」と述べた。

PPフォーサイトのアナリスト、パオロ・ペスカトーレ氏は「序盤の競争では、アルファベットやマイクロソフトの方がクラウド資産のおかげで好調に思える」と語った。

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