Blackmagic Design導入事例:デジタルメディアコンサルティングサービス「TDS MultiMedia」の場合

Blackmagic Designによると、トロントのデジタルメディアコンサルティングサービス会社であるTDS MultiMediaが、Blackmagic Designの製品を使用して、様々な規模の会場におけるコンサートの撮影およびライブ配信を行っているという。トロントにある収容人数650名のEl Mocamboやクラシックとジャズで知られるKoerner Hallから、収容人数17,000名の巨大なBudweiser Stageまで、同社はクライアントの特定のニーズに合わせてワークフローを調整しながら、一貫して映画のように美しい映像を提供し、観客をパフォーマンスに引き込んでいる。

70年代後半、El Mocamboは、ローリング・ストーンズ、U2、ブロンディ、スティーヴィー・レイ・ヴォーンなどのコンサートを行うカナダ屈指の会場となった。現在、El Mocamboは、Blackmagic Designのカメラが複数設置されたライブプロダクションスタジオによる、テレビのコントロールルーム方式の4Kワークフローで、収録およびライブ配信用の撮影を行うエンターテイメント会場かつ世界クラスの制作施設となっている。会場が小さいため、観客はコンサートを間近で見ることができ、大型カメラやジブなどを設置する余地はほとんどない。そのため、機材は観客の気を散らしたり、目立つことなく、演奏のあらゆる側面をカバーできる必要がある。

TDS MultiMediaの創設者であり社長のテリー・ウォーカー氏は、次のようにコメントしている。

ウォーカー氏:演奏者とキーボードやドラムなどの楽器のディテールを捉えるために、コンサートには注意深く配置したBlackmagic Micro Studio Camera 4Kを使用しています。

コンパクトなサイズなので、多くの会場に最適で、特にKoerner Hallでは、観客の邪魔になることなくオーケストラの指揮者を捉えることができます。一部の会場には大きなカメラは単純に入りません。また、このコンパクトなカメラでは、通常では得られないユニークな視点を捉えることができます。

加えて、これらの会場では最大7台のBlackmagic URSA Broadcastが使用されている。

ウォーカー氏:URSA Broadcastでは優れた映像が得られます。あらゆる瞬間を正確かつ明瞭に捉えます。性能と価格を考慮すると、最も論理的な選択肢です。

SMPTEファイバーで接続できるので、ライブプロダクション中に高品質の一貫したデータ送信が行えます。

同社は、Blackmagic Designのスイッチャーやレコーダーなどで構成される2つのフライパックも使用している。カメラのフィードはATEM 4 M/E Broadcast Studio 4KまたはATEM 1 M/E Production Studio 4Kライブプロダクションスイッチャーに送信され、カメラのシェーディングにはATEM Camera Control Panelが使用されている。複数のHyperDeck Studio 12G放送デッキが収録に使用され、Blackmagic Web Presenter 4KがVimeo、YouTube、Facebook、Instagramへの配信を行い、世界各地のファンに対して演奏の映像を届け、追加の収益を上げている。

ウォーカー氏:Blackmagic Designのキットにより、テレビのコントロールルーム方式の4Kワークフローでカメラコントロール、タリー、リターンがすべて得られます。

これにより、より高品質のビデオの制作が容易になり、演奏をよりユニークな視点から捉えることができ、弊社のテレビ制作においてプロフェッショナルな雰囲気を高めることができます。

コンサートの収録映像を向上させるために、同社はポストプロダクションにDaVinci Resolve Studioを用いて、ライブでのカット割を調整し、フッテージから不要な要素を取り除き、カラーグレーディングを適用し、ディレクターズ・カットやSNS用コンテンツの作成を行っている。DaVinci Resolve Studioは、グラフィックの統合にも使用されており、これにより深みと面白みが加わるため、映像が改善できると同氏は語る。ロールトランジションを追加できる機能により、映像がさらにダイナミックになり、演奏の様々なセグメント間をスムーズに移行できるという。

TDS MultiMediaのEl MocamboおよびKoerner Hallでの撮影に加え、同氏はトロントのBudweiser Stageでも撮影を行っている。

ウォーカー氏:ここでも同様のアプローチを取り、会場でATEM 4 M/E Broadcast Studio 4Kを使用しました。カメラは観客を邪魔しないように配置されていますが、それでも必要なショットが得られます。

大画面表示には、Blackmagic Design製品を中心としたキットを用いた同様のマルチカムワークフローが使用されている。

ウォーカー氏:観客がアーティストのクローズアップを見られるように、ステージの両側にある大きなLEDウォールに信号を送ります。演奏の映像は、多数のBlackmagic Mini Converterを用いて、舞台裏やコンコース、バーなど、建物内の様々な場所に配信されています。

Blackmagic Designの製品は、シームレスに統合でき、ユーザーフレンドリーなので、低コストでマルチカム制作が行えます。極めて高品質でシネマライクな映像が、従来の数分の一のコストで得られます。かつては1台のカメラを買えただけの金額で、このレベルの性能のワークフロー全体が得られるのは驚くべきことです。

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