スイーツ? ベンチプレスさ!…日本一の怪力パティシエ、次の目標は「世界大会」

全日本実業団ベンチプレス選手権の男子50代83キロ級で優勝した荒田寿さん=出水市緑町

 鹿児島県出水市緑町のパティスリーモンブラン2代目店主の荒田寿さん(54)が、第33回全日本実業団ベンチプレス選手権大会(2日、千葉県君津市)の男子50代83キロ級で初優勝した。「いつも応援してくれる妻や家族のおかげ」と喜んでいる。

 日本トップクラスの大会には、体重別に8階級101人がエントリー。83キロ級には19人が名を連ねた。

 9年ぶり2度目出場の荒田さん。当初「50代83キロ級の大会記録171キロを上回っての優勝を狙っていた」が、4月下旬に新型コロナウイルスに感染した。その後、筋力が本番までにベストな状態に戻らず、やや低めの重量で試技に臨んだ。

 1回目は145キロをクリアしたものの「重く感じた」。2回目は150キロに挑み、なんとか挙げると、3回目の152.5キロは「絶対挙げるぞ」と気合を入れ成功した。「ほっとした。うれしさの半面、ベストの状態だったらと悔しさもある」と振り返る。それでも、83キロ級の全世代でも3位に入る好成績を収めた。

 若いころはメタボ体形だったが、37歳の時、体力を付けようとジムに通いだした。41歳の時に「面白そう」とベンチプレスを始めて、いきなり100キロを挙げて、夢中になった。パティシエとしてケーキや焼き菓子を作る傍ら、ジムで週2回トレーニングに励む。

 次の目標を「来年のジャパンクラシックで上位に入り、世界大会に行きたい」と闘志を燃やす。器用な手先と怪力が自慢の「二刀流」が、これからも挑戦を続ける。

152.5キロに成功する荒田寿さん=2日、千葉県君津市(本人提供)

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