税金滞納で倒産81件…年間では過去最多の見込み 前年同期比で約3倍 東京商工リサーチ調べ

税金や社会保険料の滞納が一因で倒産する企業が2024年は5月末までに81件と、前年同期の約3倍に急増していることが東京商工リサーチの調べでわかりました。

東京商工リサーチによりますと、2024年1月から5月末までの5か月間で、税金の滞納が一因となって倒産した企業は81件(前年同期28件)でした。

年間を通しての最多が2018年の105件、次が2023年の91件で、2024年はいまのペースでいくと過去最多を更新するのは確実とみられます。

従来の納付体制では納税資金を確保できない

東京商工リサーチによりますと、コロナ禍で国税や地方税、社会保険料の猶予などの特例措置が、業績低迷の企業の基金繰りを支援してきましたが、コロナ禍が落ち着くと従来の納税資金を確保できない企業が顕在化しているということです。

そのうえで、円安、原材料や資材、光熱費の高騰や人件費の上昇などで収益の改善が遅れた企業は、納税の資金の捻出が難しくなっているとしています。

7産業で増加、最多は「建設業」22件…

産業別では、10産業のうち、「農・林・漁・鉱業」と「小売業」、「金融・保険業」を除く7つの産業で前年同期を上回りました。最多は「建設業」の22件、次いで「サービス業」の19件、「御売業」の12件と続きます。時間外労働の上限規制が強化された「運輸業」は9件となっています。

負債総額では最多が「1億円以上5億円未満」の43件で、全体の53.0パーセントを占めています。次いで「5億円以上10億円未満」が13件です。

東京商工リサーチによりますと「税金滞納」倒産は、小・零細規模よりも中小企業レベルでの発生が中心で、税金滞納が負債額を押し上げる側面があるとしています。

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