「初めて完全同意」「かなり強権的」玉川徹氏の「路上飲酒全面禁止」ド正論の訴えにネットで渦巻く賛否

2023年のハロウィン。渋谷では飲酒を含め、徹底的な規制がおこなわれていた

6月10日、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系))で、「路上飲酒」をめぐりコメンテーターが激論を交わす一幕があった。

東京都渋谷区は、ハロウィンや年越しカウントダウンなどで集まった若者や、自国では外飲みが禁止されている外国人らの飲酒トラブルが後を絶たないため、2019年、ハロウィンや年末年始に限り、路上や公園での夜間の飲酒を制限する条例を制定した。

しかし、最近ではイベントの有無にかかわらず、常態的に路上飲酒がおこなわれ、騒音問題やケンカで救急車が出動するなど、治安が悪化。大量のゴミが捨てられ、商店街の負担が重くなっていることから、路上飲酒の禁止を「通年の午後6時から翌朝午前5時」までに拡大し、禁止区域を広げる条例の改正案が、6月の区議会定例会に提出された。10月1日からの施行を目指すという。罰則などはない。

番組でこの問題を取り上げると、意外にも「全面禁止」を掲げ、こう強く主張したのは、元テレビ朝日社員の玉川徹氏だった。

「世界にもまれな、路上飲酒ができる特異な場所ということで、SNSとかで外国人の間で知られていたみたいだが、それは何のメリットもない。日本にとって。僕は、路上飲酒は全部、禁止でいいと思う。一般の人に何のメリットがあるのか。原則として飲めないことにして、花見などのときだけは、そのエリアは飲めるようにする。原則を『飲める』から『飲めない』に変えればいいだけの話だと僕は思う」

それまで慎重姿勢を示していたほかの2人のコメンテーターは、即座に反応。

元財務官僚で信州大特任教授の山口真由氏は、「学生時代、公園で飲んで語り合って、そんなにお金がないときも……という青春って、ありません?」と問うた。

すると玉川氏は「なんで公園のなかで語り合わないといけないの? 別に大学のなかや、どこでもいいじゃない。夜の公園で学生が集まって飲んで騒いでいるのを見て、怖いと思う人だっていると思う。公園で酒を飲めることが、全体にとってのメリットになっているのか」と答えると、山口氏は「そうだったかもしれない……」と反省ぎみに。

番組MCのフリーアナウンサー羽鳥慎一が「お店に行くお金がなかったから、公園で飲んでいた」と述べると、玉川氏は「だったら、家で飲めばいい。僕は大学生のときだって、外で公園で飲んだり、ほとんどしなかった。まわりにマイナスの影響を与えているんじゃないですか。結果的に。騒いでたらうるさいし、大学生はだいたいバカなんだから。迷惑かけていたよ。僕も大学時代、バカだったと思うし、迷惑をかけていたと思うもん」と一刀両断。羽鳥が「ごめんなさい」、山口氏が「すいません」と謝る事態になった。

とはいえ、玉川氏の「全面禁止」の主張に納得いかないのか、俳優の石原良純は「僕らはそれで育って、そのなかで日本人の感性みたいなもので育ってきた。いま、若い世代に『ダメ』とやれるかというと、そこで享受されたものだってあるし……」と述べると、玉川氏は「若い人だけではなく、全員、ダメなんですよ。若い人や外国人だけ禁止するんじゃない。路上で酒飲めるから来る、みたい人、いります? インバウンドでも」と反論した。

ことごとく「正論」で論破する玉川氏に、良純は「路上で酒飲めるのは、楽しいよ~」と一矢報いようとするも、玉川氏は「こういう大人がいるから……」とあきれた様子。良純が「それは、節度を持ってやらないと、ということを培ってきたわけだから」と反論するも、玉川氏は「じゃあ、節度はなくなってきているじゃないですか」とにべもない。

最終的には、羽鳥がMCの立場で「そういうところも議論が必要。今回は(全面禁止の)時間を増やしましょう、場所を広げましょう、そうしたらどうなるのかなということを(渋谷区は)やってみよう、というところだと思います」とまとめた。

玉川氏が「路上飲酒の全面禁止」を訴えたことに、Xでは賛否が渦巻いた。

《路上飲酒に関する議論、玉川徹の指摘は、今の年配者の青春を否定するようで冷たいけれど、指摘自体はごくごく真っ当だと思うな。かつては迷惑を許容できていたかもしれないけれど、いまは、迷惑を許容できない社会だし、その迷惑の程度も以前よりも大きいのだろうと思う》

《初めて玉川氏に完全同意した》

《いやぁぁ,まっさか玉川氏に賛同する日が来るとはおもわなんだ》

と、賛同する声があがる一方、「全面禁止」を掲げ、異論を一刀両断する姿勢に否定的な意見も。

《かなり強権的、玉川。メリットがあるから許可、メリットがないから禁止、ってヘンだ。他者に迷惑をかけるなら禁止だろうが、そうでなければ許可も禁止もない》

《生活に原則全面禁止を持ち込むのを良しとする玉川氏にはちょっと幻滅。禁止事項なんて少ない方がまともな世の中なんだよ》

《節度は 改めて人が決めることではない 節度を制度にすると ろくなことがない 節度のない輩が 制度を決めるなよ》

いつもは権力者に対して、舌鋒鋭い批判を繰り出す玉川氏。「上から目線」で「路上飲酒の全面禁止」を主張するあたり、よっぽど泥酔者が嫌いなようだ。

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