マイワシ、今季最多2925トン 八戸港、豊漁に沸く

八戸港に水揚げされたマイワシ。東通沖に漁場が形成され、好調が続く=11日、八戸市第1魚市場

 八戸港に11日、東通沖で操業した大中型巻き網船13隻がマイワシ計2925トンを水揚げした。3千トンの大台に迫る数量は今季最多。輸送するトラックの対応が追い付かず、11、12日の2日間に分けて船から魚を揚げる。市場関係者は「八戸港に近い青森県沖で、これだけまとまった量のマイワシが取れるのは10~20年ぶりではないか」と話し、豊漁を歓迎している。

 この日は、朝から運搬船が次々と入港。水揚げ作業は急ピッチで行われ、輸送や製氷の業者も慌ただしく出入りしていた。卸売業の八戸魚市場によると、11日は7隻計1890トンを船から揚げ、残る6隻計1035トンは12日に処理する。

 八戸市第1魚市場で行われた入札の結果、10キロ当たり565~500円の値が付いた。1匹40~50グラムの小型主体だが、80グラム以上も全体の1~2割ほどに増え、脂乗りも少しずつ良くなっているという。主にミール用や輸出用となる見込み。

 昨年6月もマイワシの水揚げは好調だったが、漁場は三陸沖が中心で、群れが徐々に八戸沖周辺へ移動した。今年は東通沖に好漁場が形成され、千葉県銚子沖で操業していた船団が一気に北上して漁獲している。

 市場を訪れた水産関係者は「1日に3千トン近くものマイワシが取れるのは珍しい。八戸らしい活気になってきた」と喜んだ。【全文】

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