国際ラグジュアリー船が福井県敦賀市に寄港…外国人客が地元おもてなし絶賛「ほかの国では…ない」

福井県の敦賀港に寄港したハンセアティック・スピリット
気比神宮を訪れるクルーズ船の乗客=福井県敦賀市曙町

 国際クルーズ船ハンセアティック・スピリット(船籍マルタ、乗客定員230人)が6月11日、福井県の敦賀港金ケ崎岸壁に初めて寄港した。地元の観光事業者や高校生らがドイツなどから訪れた乗客を歓迎。乗客は下船後、バスツアーに繰り出し、福井の自然や伝統文化を楽しんだ。

 ドイツのハパグロイド・クルーズ社が運航する同船は全長138メートル、総トン数1万5600トンの小型ラグジュアリー船。今回のツアーは約170人が参加し、9日に北海道・小樽港を出港した。敦賀港、韓国・釜山港、長崎港、東京港などを経由し、25日に小樽に戻る旅程となっている。

⇒【写真】気比神宮を訪れるクルーズ船の乗客

 午後1時ごろ敦賀港に着岸した客船から降り立った乗客たちを、櫛川保育園の年長児15人が英語やドイツ語のあいさつが書かれたうちわを振って歓迎。敦賀高吹奏楽部は演奏で盛り上げた。市内外の事業者が羽二重餅や漆器、眼鏡、越前打刃物の物産ブースを並べて福井の魅力をPRした。

 乗客たちは「気比の松原とレインボーライン」「永平寺」など四つのコースに分かれてバスツアーに出発した。気比神宮を訪れたスイス人の乗客は「厳粛な雰囲気と立派な建築物が素晴らしい」と笑顔を見せ、キプロスから訪れた人は「港での歓迎の演奏、緑あふれる景色、温かい人々とすべてが素晴らしい」と絶賛した。

 資料館「人道の港敦賀ムゼウム」では中村保博副知事や米澤光治市長らが出席して記念式典が開かれた。ハンセアティック・スピリットのクラス・フィッシャー船長は「ほかの国の港ではこんなに大勢の人が歓迎してくれることはなく、本当に感謝している。これからも敦賀との縁を大切にしたい」とあいさつした。

 敦賀港には7月5日にダイヤモンド・プリンセス(乗客定員2706人)が寄港する予定。

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