3バックと4バックの併用は森保ジャパンに何をもたらしたのか。選手たちが口にした手応え

2026年のワールドカップへすでに最終予選進出を決めていた日本は、2次予選の最終戦をホームで戦い、シリアに5-0で勝利。全勝で2次予選突破を決めた。

この日も3-4-2-1を採用した日本は、10番の堂安律をウイングバックで起用するなどテストを込めた配置に。それでも13分に上田綺世のヘッドで先制すると、19分には堂安、22分には久保建英の仕掛けからオウンゴールで加点し、後半にも途中出場の相馬勇紀、南野拓実がネット揺らして快勝を収めた。

いわゆる消化試合となった今回の6月シリーズのミャンマー戦(アウェー/〇5-0)とシリア戦(ホーム/〇5-0)に主力選手たちを招集した森保一監督が試したのがこれまでも4バックと併用してきた3バックの改めてのテストだった。

もっともウイングバックには前述の堂安や中村敬斗らを起用する攻撃的な布陣として試し、シリア戦の後半開始からは伊藤洋輝を左SBに入れ、3バックの右を務めていた冨安健洋を右SBへスライド。4ー2-3-1へ布陣を変え、最終ラインを3枚から4枚へ変えるシチュエーションも予行演習した。

その意味で、DF谷口彰悟は今回の2連戦の意味を「この2試合で競争というところも上がってくると思いますし、最終予選に向けてすごく良い2試合だったと感じます。(3バックを)試せるのはこの2試合くらいしかなかったと思いますし、良いトライだったと感じています」と語る。

また伊藤も「1試合半(ミャンマー戦の90分とシリア戦の前半45分)、3枚でやってスムーズに攻撃と守備ができたと思いますし、最終予選は相手が強くなるので、耐える時間が増えるでしょうし、いろんなバリエーションが今回の2試合で試せて良かったです」と口を揃える。

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その点ではキャプテンの遠藤航もこう説明した。

「今の選手たちはいろんな戦術でやっているので、あまり3枚とか4枚とか、一応、最初の立ち位置は決まっていますが、今日に関しては守備は4-4-2気味でやっていましたし、相手に応じて、3が良いのか4が良いのかを考える。最初の立ち位置は3-4-3(3-4-2-1)でしたが、4-4-2気味になることもあるし個人の判断でやっていく。それが今の日本の最大の良さというか、どうすればプレッシャーを剥がせるか、どうしたらプレッシャーにハマっていくのか、常にお互い話し合いながらやっているところだと思うので、やり続けるしかないと言いますか。これが強豪相手とやった時や、最終予選でやった時に同じような結果を残すことが、今後につながると思います」

恐らく今後もベースは4バックになるはずだが、最終予選で3バックは貴重なオプションとなるのか。ベスト8で敗退したアジアカップを含め、引いた相手やロングボールを多用してくる相手に苦戦する傾向にある森保ジャパンへの有効な処方箋になるのか、興味深い。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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