「インから下ろしたい」のに「インに上げちゃダメ」なの!? この謎が解ければ、ちゃんと球がつかまる

球を真っすぐ飛ばすならインサイド・イン軌道で振りたい。しかし、インサイドに上げることを意識し過ぎるせいで、知らぬ間にスイング軌道がズレてしまっていることがある。「始動30センチは真っすぐ!」と話すのは、かつて世界一にも輝いた宮里藍の父でありコーチの優氏。正しいスイング軌道で振るにはどうしたらいいの?

「打点がバラつき、打球の行方も左右定まらずに飛んでしまう人にありがちなのが、スイングの始動と同時に正しい軌道から外れてしまうこと。始動30センチの段階で、すでにクラブヘッドをインサイドに上げています。しかも、フェース面を手首でヒョイと安易に開いてしまっていることが多いです。球の方向性に直接影響する軌道と、フェース面の両方がいきなりバランスを崩すんですから、たとえクラブヘッドの芯で球をとらえたとしても、打球は安定しません。だから、最初の30センチは真っすぐ引くことが大事なんです」

なるほど、インサイド・インを意識するあまり、フェースの向きに気を遣えていなかった気がする。とはいえ、30センチ真っすぐ引くことを意識すると、なんかぎこちない動きになってしまう。

「始動30センチを真っすぐ引く際、フェース面はかすかに開きはしますが、まだ球を見ている状態。もちろん手首は使いません。ですが、手首をヒョイと使うクセが付いていた人は、小難しいことをいっても余計な力が入って失敗するだけでしょう。そこで、アドレスしたら一旦クラブヘッドを球の30センチ後方にトンと置いてみてください。この“第2のアドレス”からテークバックして打てば、インサイドに引くクセを簡単に直せます」

セットアップした後にクラブヘッドを正しい軌道に乗せるための“もう一つのアドレス”というわけか。これなら手首のクセも出ないし、正しい軌道に乗せられる。

「初めに正しいスイングプレーンに乗せてしまえば、そのあと極端にプレーンから外れることはなくなります。慣れてきたら、ヘッドを球の30センチ後方に置いてからスイングをリスタートするまでの時間を、徐々に短くしていってみましょう。一連の流れのスイングになっていけばOKです」

インパクトでフェース面がスクエアな状態で当てるためにも、30センチ以内は真っすぐヘッドを動かしたい。“第2のアドレス”から練習していけば、理想のインサイド・イン軌道にも近づくだろう。

◾️宮里 優
29歳でゴルフをはじめ、独学でゴルフ理論を構築。36歳の時に男子プロトーナメントの大京オープンにアマチュアとして出場。その後、ティーチングプロの道を歩む。子供たちと一緒に楽しみたいとやらせたゴルフだが、結果的に聖志・優作・藍の3人共プロゴルファーの道を選んだ。

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●どんなスイング理論でも全ての人には当てはまらない。関連記事『【診断】手のヒラを擦る? 目を閉じてその場で足踏み? 新感覚の理論で自分に合ったアドレスを見つけよう!』をチェック!

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