あまりにも自由奔放なプレースタイルが災い?マーリンズの人気者が「球界で最も過大評価されている選手」に選出<SLUGGER>

6月10日(現地)、アメリカのウェブメディア『ジ・アスレティック』が現役メジャーリーガーを対象に行ったアンケートの結果を発表した。

「球界最高の選手は?」との問いでは、大谷翔平(ドジャース)が実に46%もの得票率を得てトップ。一方、「最も過小評価されている選手」で、アンソニー・レンドーン(エンジェルス)やカルロス・コレア(ツインズ)を抑えてトップに選ばれたのがジャズ・チゾムJr.(マーリンズ)だ。

この結果を見て、思わず納得してしまったファンは少なくないのではないだろうか。

“ジャズ”という愛称(本名はジャスラード)からも想像できる通り、バハマ出身のチゾムJr.は球界きっての個性派。髪の毛をブルーやパープルや水色、ブロンドとさまざまな色に染めたり、ホームランを打った後の“ユーロステップ”(※バスケットボールで左右にジグザグにステップを踏む動作)パフォーマンスで常にファンを楽しませている。

パフォーマンスだけではない。細身ながらパワフルな打撃とダイナミックな守備・走塁が支持され、“球界で最もエキサイティングな選手”の一人として人気を集め、22年はファン投票でオールスターに選出。23年には人気テレビゲーム『MLB THE SHOW』のカバーにも抜擢された。 だが、22年は腰を痛めて後半戦を欠場。昨年も右足つま先や左脇腹の故障で出場わずか97試合にとどまるなど、最近はやや停滞気味。今回の「過大評価」アンケートで1位になったのも、直接的はそれが最大の理由だろう。

一方で、あまりにも奔放で自由な振る舞いが少なくない反発を買っている面もある。最近も、元チームメイトで現在はドジャースに在籍しているミゲル・ロハスとの確執が明らかになったばかり。どうやら、チームリーダーだったロハスにメジャーリーガーとしての振る舞い方をあれこれ指導されたのが気に入らなかったらしい。

ジャズの性格からすると、今回のアンケート結果も特に気にしてはいないだろうし、これを理由に大人しくプレーしようなどと考えることもないだろう。]

だが、成績面ではもっと奮起してもらいたいのも事実。5月7日のドジャース戦で、15イニング連続無失点中だった山本由伸から初回先頭打者初球ホームランを放つなど、実力はまだ錆びついていない。球場のファンを魅了することで、“批判派”を黙らせてほしい。

構成●SLUGGER編集部

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