右わき腹のアクシデントで緊急降板の前田健太、“次回登板には影響なし”と現地報道も、チーム状況懸念で「これ以上低調な内容は許されない」との見解も

デトロイト・タイガースの前田健太は現地時間6月5日、敵地でのテキサス・レンジャーズ戦に先発出場。しかし、右わき腹の張りを訴え2球を投げたところで降板した。その後の状態が心配されていた中、大事には至っていないと米国内で報じられている。

メジャー公式サイト『MLB.com』では6月8日、公式サイト上において、前田が金曜日に遠投を行なった様子を紹介し、「今日の投球の感じからすると、投げられると思う」と前田本人が手応えを語ったと伝えている。

この報道を受け米スポーツサイト『CLUTCHPOINTS』でも、日本人右腕の今後の登板について言及。腰の違和感により調整中のジャック・フラーティとともに、翌週中での先発が可能であるとして、「チームにとっては明るい兆しとなる朗報を受け取った」と伝えた。

さらに、早々にマウンドを降りた前田の前回登板について「より深刻な怪我をしなかったのは幸運だった。このベテラン投手は、金曜日に遠投を投げた後に気づいたように、単に痛みから休む必要があっただけだった」と指摘した。

また、今季の前田の投球内容を振り返っており、「マエダはスタートで出遅れている」と評しながら、「40.1イニングを投げて防御率6.25、WHIP1.41、奪三振30。しかし、この36歳の投手は通常のレベル(キャリア防御率4.02)をはるかに下回る投球を続けており、これは腹部の違和感が部分的に原因であった可能性がある」と不振が続いていることへの見解を綴っている。
前田はタイガースに加入した今季、ここまで10度先発マウンドに登り2勝2敗、5月にはウイルス性疾患により15日間の負傷者リスト入りとなるなど、コンスタントにパフォーマンスを発揮できないままシーズンを送っていた。

同メディアは、タイガースの現在の順位にも触れ、「デトロイトは現在、アメリカンリーグ中地区4位に位置しており、チームはマエダの低調な投球内容をこれ以上許すことはできない。シーズンは長いが、下位からトップに上がるには多くの勝利が必要だ」と説明。その上で、「調子を取り戻さなければ、交代させられる可能性もある」として、今後への見込みを示した。

幸いにも、レンジャーズ戦での前田のアクシデントが今後の登板には大きな影響を及ぼさない見込みのようだ。新天地ではまだ波に乗り切れていない中、次回以降の登板では自身の3勝目の白星と、何よりチームに勢いをもたらすピッチングが求められている。

構成●THE DIGEST編集部

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