2024夏後半か秋に「ラニーニャ現象」発生か…今シーズンの台風どう影響?発生数や発生位置、進路は

ラニーニャ現象の模式図(ウェザーニューズ提供)

 民間気象会社「ウェザーニューズ」が発表した2024年の台風傾向によると、夏の後半か秋にラニーニャ現象が発生して対流活動が活発化する影響で、台風が発生してから日本への接近までの時間が短くなる傾向がある。このため、今シーズンは早めの台風対策を行うよう呼び掛けている。同社の発表から、ラニーニャ現象が発生した場合の台風発生の数や位置、進路などをまとめた。

 6月4日発表の台風傾向によると、今シーズンの台風発生数は5月の2個を含めて23個前後と予想。平年の年間台風発生数は25.1個で、やや少なめになりそうだ。また、夏の後半か秋にはラニーニャ現象が発生する見込み。近年の研究結果から、この現象が発生した年の台風の発生位置は東経150度より東の熱帯域で少なくなり、日本の南海上で平年より多くなる傾向があるという。進路を見てみると、フィリピンの東から日本の東海上へ進む台風は少ない傾向がみられている。

 1951年以降で、エルニーニョ監視海域とインド洋の予想海面水温が今年の予測と類似している年は、1998年、2010年、2016年、2020年の4例。各年の台風発生数は14~26個、平均すると19.8個で、平年より少なくなっている。

ラニーニャ現象とは

ラニーニャ現象は、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけての海面水温が平年より低くなる現象。東風が平常時よりも強く、太平洋赤道域の西部に温かい海水がより厚く蓄積する。この影響で、北西太平洋の主な台風発生域の海面水温は平年より西寄りで高くなり、対流活動が活発になる傾向がある。この場合、台風の発生位置が平常時よりも西にずれる傾向があり、海面水温が高い海域を通る時間が短くなって台風の発生から消滅までの寿命が短くなる傾向がある。また、日本の近海で発生することもあるため、その場合、発生から日本への接近までの時間が短くなる可能性もある。

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