だれもが「すぐ行動する人」になる、脳のスイッチの入れ方とは?メンタルコーチが伝授

ギリギリまで動けないのは自分の性格だから……と諦めていませんか? 実は先延ばしに性格は関係ありません。やる気に左右されず、脳をうまく使って科学的にすぐ行動する人になる技術を、メンタルコーチの大平信孝先生に伺いました。すぐ行動する人になれる5つのコツのうち、今回は1つめをご紹介します。

どんな人にでも「すぐに行動する」 スイッチが脳にある!

つい先延ばしにして、増えていく一方の仕事や家事。こんな自分にうんざり......。

すぐに行動できない自分を責めてしまいますが、動けないのはあなたの性格でも意志の弱さが原因でもありません。脳のメカニズムが大きく関係しているのです。

脳は「面倒くさがり」で大きな変化を嫌います。新しいことに挑戦したり、難しい問題に直面したりしたとき、命を守るため現状を維持しようとする防衛本能が働いて、動かないことを選択します。

つまり、脳があなたの行動を抑制しているのです。

「すぐに行動する脳のスイッチの入れ方を知れば、先延ばしせずに動けるようになります」と大平先生は言います。

脳は小さな変化は受け入れるので、先延ばしにしていたことも小さなアクションから始めて、脳に楽しいと感じさせればスイスイ動けるように!

最初の一歩を踏み出せば、やる気があとからついてくる、というわけです。「大丈夫、できる」と自己肯定感を上げて取り組むことも重要です。

すぐ行動する人と先延ばしする人……どこが違う?

すぐ行動する人
・ポジティブ思考強め
・自己肯定感を持っている

先延ばしする人
・ネガティヴ思考強め
・自己否定感を持ちがち

考えすぎて動けない人はまずこれ! 仮決め、仮行動する

行動の質を高めるより、行動の量を増やす

先延ばしにする人の共通点として、「ちゃんと決めてから動きたい」「失敗しないように計画を立てたい」と考える人が多いのが特徴です。考えることに長い時間とエネルギーを使ってしまい、動けなくなっているのです。

そんなときはとりあえず物事に着手する「仮決め・仮行動」をしてみましょう。行動の「質」は後回しにして、行動の「量」を増や すことを意識するのです。

例えば筋トレやダイエットを始めたいけれど、「ウェアがない」「ジムを探している」など、やらない理由を見つけて先延ばししている場合。手持ちの動きやすい洋服に着替えたり、家でスクワットや腹筋を1回でいいからやってみる。これが「仮決め・仮行動」です。

本当に1回でやめてしまう人は少なくて、3回、5回と続ける人が ほとんどです。少し動くことでも 脳が刺激を受けてドーパミンが出て、行動のスイッチが入ったからです。

また、「仮決め・仮行動」をしてみて、自分のイメージと違った場合は、ジムに通うなど今後の方針を具体的に考えやすくなります。それがわかっただけでも「仮決め・仮行動」には大きな成果があります。

大平先生からひと言!

たとえ仮でも「今はこれ」と決めて動いてみましょう 。

考え過ぎて何もできないのは、時間もエネルギーももったいないことです。試しに動いてみて、仮にうまくいかなくても「行動して得られた成果」は、次に迷わず行動できる指針になります。

※この記事は「健康」2023年冬号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
※2023年1月5日に配信した記事を再編集しています。

監修者
メンタルコーチ 大平信孝

おおひら・のぶたか●
長野県出身、中央大学卒業。株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役。目標実現の専門家。脳科学とアドラー心理学を組み合わせた、独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。オリンピック出場選手、経営者などの目標実現・行動革新サポートを実施。『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ』 (かんき出版)など著書多数。


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