さすがは「全米最高のベースボール・タウン」!“怪物ルーキー”ポール・スキーンズの好投に敵地セントルイスの観衆が総立ちの拍手<SLUGGER>

先日、大谷翔平(ドジャース)との好勝負が話題を集めた“怪物”ポール・スキーンズ(パイレーツ)がまたも快投を演じた。

昨年のドラフト全体1位指名で入団し、今年5月にメジャーデビューを果たしばかりの豪腕は6月11日(現地)、敵地でのカーディナルス戦に登板。この日は100マイル超と魔球“スプリンカー”(スプリッターとシンカーの中間球)に加えてカーブも好調で、自己最長の6.2回を投げて5安打無四球8奪三振と文句のつけようのない投球を見せた。

両軍無得点で迎えた7回裏、1死二塁の場面でデレク・シェルトン監督がダグアウトを出て、交代を指示。すると次の瞬間、驚きの光景が広がった。

ブッシュ・スタジアムに詰めかけた3万4278人のファンが、敵チームの選手であるスキーンズに惜しみないスタンディング・オベーションを贈ったのだ。

もともとセントルイスは「全米一のベースボールタウン」と呼ばれるほど野球熱が高いことで知られる。フィラデルフィアやボストンもファンの熱量はすさまじいが、セントルイスはそれらの街と比べてややおとなしいかわりに“優しい”のが特徴。自軍のファンにブーイングを浴びせることは滅多になく、敵チームの選手であっても好プレーには拍手を送る。 そうはいっても、まだ0対0で試合がどうなるか分からないという状況での相手先発投手へのスタンディング・オベーションは異例と言っていい。メジャーデビューからまだ1ヵ月の怪物ルーキーの投球がそれほど素晴らしかったということだろう。

本拠地PNCパークではすでに大歓声を浴びているスキーンズ。だが、敵地で浴びた今夜の喝采は、感動もひとしおだったのではないだろうか。

構成●SLUGGER編集部

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