早明浦ダムの内部で貯蔵『ダム酒』の“蔵出し”  ダム再生工事の様子を見学できるインフラツーリズムも

早明浦ダムの内部で貯蔵されていたダム酒が12日、“蔵出し”されました。地元の米でつくられ、地元のダムで熟成されて出来上がった日本酒。一体どんな味に仕上がったのでしょうか。

高知県土佐町にある早明浦ダム。こちらでは2019年から地域の活性化を目指して土佐町と早明浦ダムを管理する水資源機構、そして地元の土佐酒造が協力して酒を貯蔵し熟成させています。

(リポート:坂根優菜 記者)
「早明浦ダムの内部に来ています。周りはコンクリートで囲まれていて完全に光をさえぎっています。ここで熟成されたお酒、今年はどんな味に仕上がっているのでしょうか」

貯蔵する酒は、土佐町相川地区産の酒米「吟の夢」を100%使用した山廃純米酒。12日は1年ものと4年ものの合わせて100本を“蔵出し”し、試飲しました。

(土佐酒造 松本宗己 社長)
「熟成されてまろやかな味になってるけどまだ若さがあるね。とってもおいしいです」

ダムでの貯蔵は、年間を通じて温度が12℃から13℃と安定しているため、冷蔵庫などで冷やすよりも熟成に向いているといいます。

(和田守也 町長)
「うちの町の中でさまざまなことを作っていって、それを売り出す。町の産業も潤うし地域のよその方々も町に来た時に『ここじゃないとこの味を食べられない』とそういうことで呼び込むということをやっていきたいので、これからも地域資源を使った取り組みを進めていきたい」

地元の米を使い、地元のダムで、自然の温度のもと、生まれたダム酒。6月15日土曜日から道の駅・土佐さめうらで40本限定で販売されるということです。

また、早明浦ダムでは水資源機構や土佐町などが協力して、2023年から洪水を防ぐため治水能力を向上させる再生工事を行っています。早明浦ダム周辺に出入りできなくなったことから町は工事の様子を見学できるインフラツーリズムを開始。300トンほどの巨大なクレーンを間近で見ることができるなど、普段見られない工事の様子や景観を楽しむことができます。

(水資源機構 鍋坂誠志 課長)
「美しい風景とスケールの大きなプロジェクト、特殊な大きな建設機械を肌で感じていただければと思います」

早明浦ダムの再生工事は2028年度の完了を目指しています。

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