全仏オープン準優勝のズベレフが疲労蓄積でウインブルドン前哨戦を欠場!「芝に移行する準備ができていない」<SMASH>

6月9日に実施されたテニス四大大会「全仏オープン」(フランス・パリ/クレーコート)の決勝で4時間超のロングマッチを戦ったアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/世界ランキング4位)が、「疲労の蓄積」を理由に10日に母国シュツットガルトで開幕した「ボス・オープン」(芝コート/ATP250)を欠場することを発表した。

シュツットガルトでは第1シードが用意されていたズベレフであったが、「ここ数週間、多くのテニスをプレーし、パリ(全仏)では決勝に進み、タフな5セットを戦った。僕の身体は、クレー(コート)から芝(コート)に移行する準備ができていないと感じている」と欠場の理由を明かした。

欧州クレーコートシーズンが幕を開けた4月の「モンテカルロ・マスターズ」(モナコ・モンテカルロ/ATP1000)を皮切りに、「BMWオープン」(ドイツ・ミュンヘン/ATP250)、「マドリード・オープン」(スペイン・マドリード/ATP1000)、優勝した「イタリア国際」(イタリア・ローマ/ATP1000)、そして今回の全仏と計5大会に参戦して20試合をこなしたズベレフ。しかも全仏では決勝を含め4時間超の試合を3つもこなすなど、計7試合で23時間46分もプレーをしていた。
粘土と細かい砂を混合した土で表面を覆ったクレーコートは、バウンドした後の球足が遅くなるので打ち合う時間が長くなりやすいのが特徴。一方。表面が芝のコートはボールがあまり弾まず球足も速くなる。こうした特性の違いにより多くの選手がクレーシーズンから芝シーズンへの移行に苦労する。

全仏の疲労に加えて自身2度目の四大大会決勝で逆転負けを喫したというメンタル面のダメージも心配されるズベレフ。とはいえ、昨年も全仏後に開催された「ボス・オープン」はスルーして、翌週に開幕した「テラ・ウォルトマン・オープン」(ドイツ・ハーレ/ATP500)で芝シーズンをスタートさせている。それを踏まえれば、今回の「ボス・オープン」欠場もズベレフ陣営にとっては既定路線とも考えられる。

構成●スマッシュ編集部

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