パンダフィーバー再び 世界で愛される中国の「国宝」

パンダフィーバー再び 世界で愛される中国の「国宝」

中国ジャイアントパンダ保護研究センター臥竜神樹坪基地の隔離検疫エリアに入った福宝。(4月4日撮影、臥竜=新華社配信)

 【新華社北京6月12日】4月に韓国から中国に返還され、2カ月余りの隔離検疫・適応期間を経たジャイアントパンダ「福宝(フーバオ)」が12日、四川省にある臥竜神樹坪基地で一般公開された。同基地を管理する中国パンダ保護研究センターによると、福宝は隔離検疫後、基地内にある繁育園の飼育舎に移され、左右両隣のパンダと交流用の窓越しに声や匂いでコミュニケーションをとるなど、徐々に他のパンダとの生活になじんできている。飼育チームによる観察と評価では、福宝の適応状況はおおむね良好で、新しい飼育舎に近く引っ越す予定だという。

パンダフィーバー再び 世界で愛される中国の「国宝」

四川省で暮らす雌のパンダ「青宝」。(5月17日撮影、ワシントン=新華社配信)

 最近、世界各国で「パンダフィーバー」が起きている。韓国では4月、中国に戻る福宝を見送ろうと雨の中を大勢のファンが押し寄せた。スペインでは5月、マドリード動物園で「金喜(ジンシー)」と「茱萸(ジューユー)」が初公開された。北米では、アニメ映画「功夫熊猫(カンフー・パンダ)4」が興行収入ランキングで首位に立った。米首都の動物園には、パンダの保護に関する新たな共同研究のため、「宝力(バオリー)」と「青宝(チンバオ)」が年内に貸与される。魅力あふれるパンダは世界中の人々から歓迎されている。

 中国で「国宝」とされるパンダは世界でも人気者として愛されてきた。中国は1972年、米スミソニアン国立動物園に「玲玲(リンリン)」と「興興(シンシン)」を贈呈。到着日には大勢の米国民が雨の中を出迎え、公開初月の来園者数は100万人を超えた。同年には上野動物園にも「康康(カンカン)」と「蘭蘭(ランラン)」が贈られ、その年の来園者数は500万人を突破、前年の5倍以上に拡大した。

パンダフィーバー再び 世界で愛される中国の「国宝」

韓国のテーマパーク「エバーランド」で福宝を見送る人々。(4月3日撮影、竜仁=新華社記者/姚琪琳)

 中国は長年、パンダの保護に向けた国際協力を積極的に推進してきた。1990年代には一時、絶滅の危機にひんしていたが、野生個体数は1900頭近くに、世界での飼育数は728頭に増えた。その背後には、パンダの保護・繁殖、病気の予防・治療、生態環境の整備、国際交流・協力のための中国の地道な取り組みがある。

 パンダの保護をめぐっては現在、重大疾病の予防・治療、生息地や野生個体群の保護強化に重点を置いた新たな国際協力がグローバルに進められている。愛らしいパンダは今後も世界中に友情を伝え、幸せを届けていくことだろう。(記者/沈氷潔)

パンダフィーバー再び 世界で愛される中国の「国宝」

米首都ワシントンのスミソニアン国立動物園で販売されているパンダ関連グッズ。(5月29日撮影、ワシントン=新華社記者/劉傑)

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