天皇杯サッカー V長崎辛勝 3回戦へ 讃岐に3-2 三菱重工長崎は清水に敗れる

【2回戦、V長崎―讃岐】後半24分、V長崎の中村(左)がパスを出しゴール前へ駆け出す=トランスコスモススタジアム長崎

 サッカーの第104回天皇杯全日本選手権(日本サッカー協会、Jリーグ主催、共同通信社、NHK、長崎新聞社など共催)は12日、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎などで2回戦32試合が行われ、V・ファーレン長崎はJ3讃岐(香川)に3-2で競り勝ち、3回戦に進んだ。16年ぶりに初戦を突破した長崎県代表の三菱重工長崎はJ2清水に0-9で敗れた。
 V長崎は前半1分、松澤のゴールで先制。2分後に瀬畠のパスを受けたフアンマが蹴り込んで2-0とした。44分に1点を返されて2-1で折り返した後半13分、山田がドリブルで持ち込んで3点目を挙げた。25分に自陣でパスを奪われて失点した。
 三菱重工長崎は前半7、29分に失点。後半に7点を奪われた。奥や井原がゴールを狙ったが、J2首位チームの壁は高かった。
 筑波大(茨城)がJ1首位の町田を1-1からのPK4-2で破った。JAPANサッカーカレッジ(新潟)もJ1名古屋を1-0で撃破。J3の宮崎(宮崎)はJ1磐田に2-1で競り勝った。前回王者の川崎、昨季J1覇者の神戸などは順当に3回戦に進んだ。
 3回戦は7月10日に行われ、V長崎はJ1新潟と対戦する。

◎戦列復帰 中村、安部が躍動

 V・ファーレン長崎は、けがで今季ここまで出場がなかった中村と安部が後半20分からピッチに入った。戦列復帰を待ち望んでいたサポーターからは大きな歓声が飛び、2人は攻守に躍動して期待に応えた。
 中村は3月に左膝内側半月板損傷と診断され、手術後、リハビリに励んでいた。この日はインサイドハーフに入り、澤田とのワンツーでゴールに迫るなど攻撃にアクセントを加えた。安部は昨年から続く腰痛で実戦から遠ざかっていた。ボランチとしてパスでリズムをつくり、45分に左サイドを駆け上がった成瀬にスルーパスを通して観客席を沸かせた。安部は「まだまだ課題が多いが、周りを見ながら配球して上下動はできた」と手応えを口にした。
 接戦に持ち込まれ、試合後は厳しい表情を崩さなかった下平監督だが、復帰した2人については「中村は経験があり、必ず戦力になる。安部はポテンシャルがある。貪欲に成長してほしい」と期待感を示した。

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