若葉台地区 車両を変えて実証運行 グリスロ2年目に期待 相模原市緑区

導入されたバスタイプの車両(相模原市提供)

若葉台地区で6月1日からグリーンスローモビリティ(グリスロ)の実証運行が始まった。今回は昨年度までの実証運行での課題を解消するため、使用車両をカートタイプからバスタイプに変更して運行している。運行主体のグリスロ若葉台の会の林和博代表は、「車両も大きくなり、利便性も良くなった」と期待を寄せる。

グリスロとは、時速20キロ未満で公道を走ることができる電気自動車を活用した移動サービスのこと。交通弱者の移動手段として活用に期待が寄せられている。

若葉台地区は、市内でも高齢化率が高く、坂が多い地形のエリア。身近な移動に困難を感じている住民が多く、買い物や通院などの交通手段の課題を解消するため、昨年度から地域にグリスロを導入しようと、地域住民が中心となり実証運行を行っている。

バスタイプに

6月1日から始まった実証運行は、毎週火曜、土曜の午前中にそれぞれ2便を運行。その他にも地域のイベントなどにあわせて不定期運行する。定期運行のルートは若葉台地区からスーパーアルプス城山店まで。乗車は若葉台地区内の5カ所の停留所から、降車は各自宅前までとなる。運賃は無料。期間は2025年3月末日まで。

昨年度までの実証運行と大きく変わったのが使用車両。今回運行に使われている車両はタジマモーターコーポレーション製。エアコン等を備えたバスタイプの車両で、運転手を含めて8人乗り。昨年度、使用していた車両はカートタイプで両脇がオープンになっていたため開放感がある一方で、「乗っていて怖い」「夏は暑くて、冬は寒い」という声が多かったと林代表は話す。「さらに、左ハンドルでパワステではなかったのでハンドルが重かった。今回の車両は乗用車と同じで、運転しやすくなった」と説明する。

25年度の導入目指す

この実証運行は25年度の本格導入を目指して行われている。地域主体の市の事業として昨年度は2回、実証運行を実施した。市交通政策課によると昨年度は199便運行し、利用者は延べ485人。1便あたりの乗車人数は2・4人だった。同課の担当者は「単純に比較はできないが、市内で運行している乗合タクシーの運行継続条件に『稼動した便の1便当たりの輸送人員が1・5人以上』とあることから、2人以上が乗車している若葉台のグリスロは多くの利用があるのではないか」と分析する。

林代表は「若葉台は高齢者が多く、坂道も多い。グリスロをきっかけに地域の住民が仲良く外に出る機会が増えれば」と効果に期待する。

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