ACLの経験が活きたPK戦。マリノス水沼宏太はサポーターの後押しに感謝「すごくパワーになりました」【天皇杯】

[天皇杯2回戦]横浜 2(5PK4)2 岐阜/6月12日/岐阜メモリアルセンター長良川競技場

6月12日に行なわれた天皇杯2回戦で、岐阜メモリアルセンター長良川競技場では横浜F・マリノスとFC岐阜が対戦。延長戦を含め120分を戦い終えて2-2で決着がつかず、迎えたPK戦を横浜が5-4で制した。

右ウイングで先発した水沼宏太は、前半から武器の高精度クロスで何度もチャンスメイク。81分には「右足でいくつか怖いボールを送れていた。(相手が)右を警戒して早めに切ってきたので、そのジャブが効いた」と、切り返しから左足のクロスで植中朝日のゴールをお膳立てした。

【動画】横浜がPK戦を制して3回戦進出。岐阜戦ハイライト
その後、91分に小池裕太との交代でピッチを退いた水沼は、ベンチからPK戦をどう見ていたのか。

「みんな上手なので、そこまでドキドキはなく、大丈夫って信じて見ていました」

PK戦は横浜のサポーター側で行なわれた。トリコロールの選手たちに大きな声援を送る横浜サポーターの存在は、間違いなく岐阜の選手たちにプレッシャーを与えたはずだ。

実際、両チームとも4人目までが成功したなか、先攻だった岐阜の5人目の甲斐健太郎が枠を外して失敗。そして後攻の横浜はエドゥアルドがきっちり決めた。

横浜はホームでのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)準決勝・第2レグで、韓国の蔚山をPK戦の末に破った。天皇杯の岐阜戦は平日かつ遠地のため、サポーターの数はACLの時ほど多くなかったが、水沼は「ACLの時もそうでしたけど、あのプレッシャーは嫌だろうなって感じたし、サポーターの力を感じた。すごくパワーになりました」と感謝を口にする。

また、ACLでのPK戦の経験が、今回の岐阜戦でも活きたのかを訊くと、34歳のウインガーは「この前、勝っているから、今日も勝てるっていう声があった」とコメント。岐阜戦の2日前に主将の喜田拓也が「ACLの経験も活かしたい」と語っていたが、まさに体現したと言えるだろう。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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