“憧れの先輩”は古江彩佳 高3の鳥居さくらが2位浮上「笑顔で帰ることが目標」

単独2位で最終日を迎える鳥居さくら(撮影:福田文平)

<日本女子アマチュアゴルフ選手権 3日目◇13日◇我孫子ゴルフ倶楽部(千葉県)◇6679ヤード・パー72> 

兵庫・滝川第二高3年の鳥居さくらが5バーディ・1ボギーの「68」をマークし、首位と2打差のトータル11アンダー・単独2位と絶好の位置につけた。3日連続の60台は出場選手で鳥居だけ。「なんかこっちに来てからバグってます」と、いつも以上の飛距離を生かして、逆転優勝を狙う。

この日の鳥居は終盤に勝負強さを見せた。2つスコアを伸ばして迎えた17番パー4は残り139ヤードから9アイアンで4メートルにつけてバーディ。最終18番パー4はPWでピタリとつけてお先のバーディ。前日から首位の山本優花がさらにスコアを伸ばし、独走態勢に入りつつあったが、それに待ったをかける連続バーディだった。
 
キャリー240~250ヤードを誇る飛ばし屋が、今週はさらに飛んでいる。18番のフェアウエ右サイドにはキャリーで270ヤード必要なバンカーがあるが「きのうも、きょうも越えていました」。急に飛距離が伸びた理由については本人も首をかしげるが、振れているのは確か。18番に限らず、他の選手が嫌がるバンカーが気にならないため、余裕を持ってコースを攻略できている。
 
憧れの存在は同じ兵庫県出身で、高校の先輩でもある古江彩佳。今年の初めにはプライベートでラウンドする貴重な機会があった。「古江さんは私が欲しいものを全部持ってらっしゃる感じでした。ロングパットでも狙っているような精度だし、2打目を私より後ろから打ってもいつも内側にいて、すごく勉強になりました」。
 
プロテストに向けての心構えや練習法についてもアドバイスをもらい、それ以降はフルショットよりも、ショートゲームの練習に時間を費やすようになった。2か月前からツアー通算3勝の星野英正に師事。古江の言葉で重要性に改めて気づかされたショートゲームのテクニックを星野から学んでいる。
 
今大会に優勝すれば、プロテストは最終からの受験となる。それはもちろん意識しているが、「あまり考え過ぎずに楽しくプレーすることが大事。結果が良くても悪くも、笑顔で帰ることが目標です」。昨年の今大会は14位タイ、「日本ジュニア」(15~17歳女子の部)は3位とJGA主催競技は「気合が入ります」と好相性。今回は最高の笑顔で終われそうだ。(文・田中宏治)

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