シャンクが出てしまう原因とその直し方&コースでの応急処置法を紹介

ゴルフのレベルに関係なく、どんな人でもやってしまうのがシャンク。しかも、一度やってしまうと同じミスが連続することから「シャンク病」なる言葉もあるくらいです。ここではシャンクが起こる原因を解説するとともに、直し方や練習方法、さらにラウンド中の応急処置を紹介します。シャンクに悩んでいる人はもちろん、その怖さを知らない人も、シャンクの恐怖と対処法を理解しておきましょう。

1.シャンクとは?

そもそもシャンクとは、「柄(え)」という意味。ゴルフクラブでは、ヘッドとシャフトの接合部分であるネック付近(ホーゼル)のことを指します。

一般的に使われるシャンクは、この部分にボールが当たるミスのこと。ボールが低い弾道で右に飛び出すため、多くのゴルファーは、ボールが右に飛び出す現象そのものをシャンクと呼んでいます。

低く右に飛び出すため、飛距離が出ないのはもちろん、右のラフを飛び越えて林やOBゾーンに飛び込むことも。一度やってしまうとその恐怖がトラウマとなり、思い切ったスイングができなくなるというのもシャンクの怖さです。

2.シャンクをしてしまう原因

インパクトでヘッドの根っこに当たってしまう原因はいくつかありますが、主な要因は次の4つです。

極端なアウトサイド・イン軌道になっている

スイング軌道が極端なアウトサイド・インになると、ネックがフェースよりも先行してボールに向かうほか、フェースが開いた状態で下りてくるので、ネックにボールが当たりやすくなります。

このことからも分かるように、アウトサイド・インの軌道が原因でスライスが出やすい人は、シャンクも出やすくなります。

極端なアウトサイド・インを直そうとしてインサイド・アウトにする

シャンクを抑えるため、無理やりインサイド・アウト軌道にしようとする人もいるようですが、これもシャンクの原因になってしまいます。

その理由は、極端なインサイド・アウト軌道だと、スイングの遠心力によってクラブが先端側の方向に引っ張られるため、ヘッドの軌道が前にズレてネックに当たりやすくなるからです。

ダウンスイングで右サイドが突っ込む

ボールを打ちたいという意識が強いと、ダウンスイングで右腰、右肩が突っ込みますが、そうするとクラブの軌道が外側に膨らんで、ヘッドが前にずれてしまいます。

また、右ヒザが早く前に出ると、クラブの通り道がなくなり、同じように軌道が外側にずれてしまいます。

ヘッドの軌道が外側にずれると当然、ネック付近に当たりやすくなるので、シャンクが出やすくなるのです。

構えたときにカカト重心になっている

ネックにボールが当たるのが怖いからといって、構えのときカカト重心にしてしまう人もいますが、これも逆効果。カカト重心のまま打てればいいのですが、ボールにヘッドを届かせようと、ダウンスイング~インパクトでは自然とツマ先側に重心が移動するので、ヘッドが前にずれてシャンクが出てしまいます。

シャンクを恐れてのカカト重心が、逆にシャンクを引き起こす原因にもなってしまうのです。

3.シャンクを直すための練習法

このようにシャンクにはいろいろな原因があるので、まずは自分のシャンクがどうして出てしまったのかを解明する必要があります。

そしてその原因に対して、「インサイド・イン軌道でスイングする」「ダウンスイングで右サイドが出ないようにする」「カカト重心の構えにならないようにする」といった意識を持つことが大事です。

ただ、その意識があっても、その通りにできないのがゴルフスイングの難しいところ。それらが無意識でできるように練習を積むことが大事です。

そこで、シャンクに効果のある練習法を5つ紹介します。正しいスイングを身に付ける練習にもなるのでぜひやってみてください。

左足一本で立ってボールを打つ

左足重心でスイングすることで、シャンクの原因の1つである、「右腰が前に出てしまう動き」を矯正できます。通常通り構えた状態から、右足をつま先立ちにしてスイングを行います。

その状態で何度かスイングして、感覚をつかみましょう。感覚がつかめてきたら普通に構えてスイングを行い、シャンクが矯正できたか確認してください。

右足を後ろに引いて構えて打つドリルも同じ効果があるのでやってみてください。

ダウンスイングでグリップを体に引きつける

グリップが遠心力の影響で身体から離れることがないように意識して、身体の回転と手の動きを同調させるようにしましょう。 

ポイントは、左手の小指・薬指・中指の3本をしっかりと握り、ダウンスイングではグリップエンドを地面に向かって引きつけるように下ろすこと。体の回転と合わせて左手を外旋させることで、体と一体化したスイングになり、ヘッド軌道もずれにくくなります。

ボールを2つ並べて打つ

自分が打とうとしているボールの奥(向こう側)にもう1つボールを置き、手前のボールを打ちます。奥のボールは、手前のボールをネックでヒットした場合、ヘッドが触れてしまうギリギリのところに置くようにしてください。

この練習を積むことで、ヘッドが前に出ないスイングが自然と身に付きます。

4.シャンクの応急処置法

何度もいうように、一度出始めると止まらなくなるのがシャンクのミス。苦い経験がある人は、「また出たらどうしよう」と、クラブを振るのが怖くなることも。

そんなときのために、コースで使える応急処置法をいくつか紹介しましょう。どれが皆さんにとって効果的な応急処置になるかは分かりませんが、まずは信じてやってみましょう。

ツマ先重心で構える

最初からツマ先重心で構えておくと、スイング中に前のめりになるのでシャンクを防げます。

ただし、ツマ先に重心をかけすぎると、ダフりやトップといった別のミスを引き起こす可能性もあるのでかけ過ぎは禁物です。

ボールの位置が近すぎないかチェック

体とボールとの距離も大事です。一見、近過ぎるとヒール寄りに当たりそうな感じがしますが、離れ過ぎも手元を届かせようとして体から腕が離れるため、シャンクの原因になることがあります。

また、ボールの位置が左右にずれている場合も、シャンクになる可能性があります。

これに関しては、普段の練習で自分のベストの距離感を確認しておき、その通りに構えるようにしましょう。

右足のツマ先を少し開いて打つ!

スイング軌道が極端なアウトサイド・インになっている人には、構えたとき、右足ツマ先を少し開くという応急処置をオススメします。そうすれば、右ヒザが前に出にくくなるからです。

右足を少し後ろに引くというのも同じ効果があるので試してください。

グリップを短く持つ

グリップを短く持つと、その分、クラブ操作がしやすくなりシャンクが収まる場合があります。

もちろん、短めに持つと飛距離も落ちるので、それに合わせた番手選びも忘れずに。

怖がらずに思い切り振る

シャンクが連続するのは、「またシャンクが出たらどうしよう」という気持ちを払拭できず、ボールに当てにいくのが原因となることもあります。

「出たら出たで仕方がない」。そんな気持ちにはなれないかもしれませんが、思い切り振ることを心掛けましょう。

5.まとめ

冒頭で述べように、シャンクというのは、「一定のレベルに達したら出なくなる」というものではありません。それが証拠に、ツアープロでもときどきシャンクをして頭を抱えることがあります。

だから、たとえ出たとしてもガッカリしないこと。とりあえず応急処置法を試してみてください。

また、シャンクが頻繁に出る人は、正しいアドレスやスイング軌道を意識して練習をするようにしてください。ゴルフを続ける限り、シャンクとは一生の付き合いになると思いますが、正しいスイングを身に付けておけば、シャンクに対する恐怖は薄らぐはずです。

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