世界的なハチの減少を補うために ドローンを使ったイチゴの授粉

盛岡市でドローンを使ったイチゴ栽培が進められています。新規就農者向けに生産の省力化とコスト削減を目指した取り組みです。農薬散布などで実用化が進む農業用の大型ドローンと違って今回使われるのは重さ200グラムに満たない小型ドローン。イチゴ栽培で本来はハチが行う授粉をドローンで行います。

「風が出ます。その風を花に当てることで揺れて授粉することができる」(東洋大学 澁澤健太郎教授)

この取り組みをサポートするのが、東洋大学経済学部の澁澤健太郎教授です。2021年から盛岡市と協力して新規就農者の多角化経営を支援しています。支援を受ける菊地潤さんは、新規就農で3年前にイチゴ農家になりました。これまでは授粉用にハチを購入してハウスに放っていましたが…

「きょうみたいに暑い日だとハチも巣箱から出てこなくなってしまうので」(菊地潤さん)

暑くなりすぎるとハチの活動が鈍くなるといいます。また近年懸念されているのが、世界的なハチの減少です。

「アメリカとかカナダでも クロマルハナバチ、ミツバチ類は絶滅危惧種に昨年から指定されています。日本でも検討されています。一番大きいのは温暖化だと思われます」(澁澤健太郎教授)

授粉に必要なハチの減少を補うドローンによる授粉。菊地さんは今年、4棟あるハウスのうち1棟はドローンのみで授粉させる計画で、そのイチゴを他のイチゴと差別化して販売します。盛岡市は今後もこうした最新技術を活用した新規就農者への支援を続ける方針です。

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