「大好きなトンボを守りたい」発起人は小中学生姉妹 ザリガニ釣って生態系保護 釣ったザリガニは細かく砕いて肥料に

子どもならではの視点から生まれた生態系の保護や環境改善の取り組みです。盛岡市の小中学生の姉妹が8日、地元の水辺環境を守ろうと、外来種のザリガニ釣り大会を開催しました。盛岡城跡公園の鶴ケ池で行われたザリガニ釣り大会は外来種のアメリカザリガニを駆除し、本来の生態系を取り戻そうと親子連れなどおよそ350人が参加しました。

年前から開催しているイベントの発起人は、岩手大学教育学部附属中学校3年の澤崎わかなさんと岩手大学教育学部附属小学校5年の澤崎なのはさんの姉妹です。

2人が所属する団体「グリーン・スマイル☆キッズ」は2022年度、このイベントがきっかけで国内のSDGs活動を評価するコンクール「グリーンブルーエデュケーションフォーラムコンクール15歳以下の部門」において、最高賞である環境大臣賞を受賞しています。大会開催のきっかけについて次のように語ります。

「トンボが大好きでトンボ取りをしていたらこの池のトンボが減ってきてザリガニはトンボのヤゴとか水辺の生き物を食べて生態系を壊すと習ったザリガニ釣り大会を企画した」(岩手大学教育学部附属小学校5年の澤﨑なのはさん)
「参加者全員でザリガニをいっぱい駆除して鶴ケ池がどんどんきれいになっていけばいい」(岩手大学教育学部付属中学校3年澤﨑わかなさん)

5日、ザリガニ釣り大会の運営ボランティアに向けた説明会が開かれ釣りざお作りや参加者への景品の袋詰めなどを行いました。これまでの活動内容や参加者への配慮などにボランティアの人たちも驚いています。

「小学生たちのパワーに驚いている地域の方が作り上げるイベントとても素敵」
「自分たちの興味が盛岡の環境を良くしようというのに繋がっているスケールの大きさに驚いている」(参加者)

開会式終了後さっそくさおと網を持ってザリガニ釣り開始です。参加者はザリガニを探しながら釣り糸を垂らしていきます。

しばらくするとエサにザリガニが食いつきます。参加者は1匹ずつ釣れる感覚に声を上げてよろこびます。

およそ1時間で209匹のアメリカザリガニを捕まえました。釣ったザリガニは鍋で茹でます。

「釣ったザリガニはこのあと乾かして細かく砕いて(協力者の)農家に渡して肥料として活用してもらう」(澤﨑わかなさん)

もっと釣りたいという声も上がる中大会は多くのボランティアにも支えられ大成功を収めました。

ザリガニを駆除することによって生態系の保護だけでなく、悪臭の防止にもつながったということです。きれいな池を後輩に引き継いでいきたいと語る澤崎姉妹。協力者を募って工夫をしながらこれからも活動を続けていきます。

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