越前たけふ駅にホテル事業者が進出意向 福井県越前市、宿泊客以外も利用できる温浴施設も

ホテル事業者が周辺への進出意向を示した道の駅越前たけふと北陸新幹線越前たけふ駅=6月13日、福井県越前市大屋町

 福井県越前市の山田賢一市長は6月13日、北陸新幹線越前たけふ駅西側に官民連携で形成する交流拠点「越前たけふ未来創造基地」(仮称)について、一体的整備を打診していたホテル事業者から進出意向が示されたと明らかにした。全体で約2ヘクタールを対象区域とし、温浴施設や飲食施設なども整備する構想。早ければ2027年春の開業を見込んでいる。

 市によると、事業者はホテルと、宿泊客以外も利用できる温浴施設、複数のテナントが入る飲食施設のほか、数カ月単位の出張で訪れるビジネスマン向けの中期滞在型宿泊施設を、それぞれ別棟で整備する構想を示している。未来創造基地は、事業者が区域内に別途建設する施設の床を市が賃借するなどして運営する方針。

 未来創造基地へ導入する機能について、市は基本構想で▽コワーキングや飲食などのラウンジスペース▽伝統工芸の発信やビジネス展開を目指す伝統工芸×アート・クリエーティブスペース▽企業や研究機関が利用するオフィス・ラボスペース▽子どもの遊び場-などを挙げている。

 近くでは福井村田製作所が26年4月に研究開発センターを操業させる予定で、往来増加が見込まれるとして、県外のホテル事業者が進出検討を本格化していた。地権者同意が得られれば、今秋ごろに企業名が公表される見通し。

 山田市長は13日の市会本会議の提案説明で、立地決定に向けて5月下旬から地権者への説明に入っているとし、「関係団体との協議など、確実に(誘致が)実現するよう全力で進めていく」とした。

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 未来創造基地の子どもの遊び場に関し、山田市長は県補助を活用した全天候型施設を検討していると説明。障害のある子どもや未就学児も利用でき、教育者や企業が学術研究や知育遊具開発などに参画できる場を目指す考えを示した。

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