道後・カラクリ時計 クリアな音 特定方向に 松山市が新スピーカー設置

カラクリ時計の近くに立てた支柱から横に突き出る指向性スピーカー(左)=13日午後、松山市道後湯之町

 クリアな音で楽しんで―。愛媛県松山市道後湯之町の放生園にある「坊っちゃんカラクリ時計」の音量が大きいと住民から苦情を受け、市が2月に音量を下げたところ今度は観光客らから「聞こえにくい」との不満が出ていた問題で、市は13日、特定の方向に限定して明瞭な音を届ける指向性スピーカーを設置した。

 市観光・国際交流課によると、2月から県の公害防止条例の基準(敷地境界線で70デシベル以下)を参考に音量を70デシベル以下とする運用をしている。スピーカー設置後に正面エリアで音量を簡易測定すると61デシベル程度(参考値)だった。

 大阪府から観光で訪れた50代の夫婦は「音がはっきりと聞こえてよかった」と笑顔。道後温泉旅館協同組合の奥村敏仁理事長は「指向性スピーカーの技術によって課題が解決された。市の対応に感謝したい」と話した。

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