【虎に翼】轟の花岡想い〝布石〟をNHK三條アナが〝指摘〟していた

轟を演じた戸塚純貴

14日のNHK連続テレビ小説「虎に翼」で、寅子(伊藤沙莉)の明律大クラスメートで、ヤミ食料を拒んで栄養失調死した判事の花岡(岩田剛典)が回想シーンに現れた。

生前、寅子が花岡に対し、「子供らへ」とチョコレートを渡した場面。これにちなんだ絵画が、新たにできた東京家庭裁判所の事務所に掲げられた。上司の多岐川(滝藤賢一)は、法律は人が縛られて死ぬものでなく、幸せになるためにあると訴える。法を厳守した花岡の死を非難して怒り続けなければいけないとも主張。その戒めとして、チョコを分け合う手という「幸せ」を描いた絵画を飾ったという。

花岡といえば今週の放送で、戦争を生き延びた明律大仲間の轟(戸塚純貴)との関係性が話題を呼んだ。よね(土居志央梨)から「ほれてたんだろ、花岡に」と恋愛感情を指摘された轟は、「何をバカなこと言ってんだ!」と反論するも、会話が進むにつれて「よく分からない」と言い、やがて泣きだした。

この場面を巡っては、視聴者の間で〝BL展開に賛否〟と一部で報じられた。一方、これまでの2人の描写から「そんな匂わせはなかった」との受け止めもみられた。

だが、5月15日の第33話に注目シーンがあった。弁護士資格を得た寅子や轟、よねが裁判傍聴後、花岡と出くわし、婚約者を紹介された。ショックで血の気が引いた表情の寅子とともに、ぼう然としたかのように荷物を落とした轟の姿も映った。

翌16日のNHK「おはよう日本」(関東甲信越エリア)の「朝ドラ受け」でこのシーンが話題になり、「私もショックです」との反応があった中、三條雅幸アナウンサーは「一番驚いていたのはたぶん轟さんだと思います。荷物落としていましたから」と冷静に指摘した。

轟は寅子よりショックを受けていたのかもしれなかった。よねは「花岡と最後に会った時、そう思った」と告白。これは前出の婚約者紹介の場面だとみられる。となればこのシーンは〝BL〟指摘の布石だった可能性がある。それが回収に。三條アナは鋭い視点を示していたのだった。

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