「あらゆるケースを想定して計画進めている」とJR東海を評価 「モニタリング会議」がリニア静岡工区を視察

リニア中央新幹線の静岡工区について、JR東海の環境への対策をチェックする国のモニタリング会議が6月14日、トンネル工事で発生する土の置き場を視察しました。会議の座長は「JR東海はあらゆるケースを想定して計画を進めている」と評価しました。

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<社会部・山口駿平記者>
「静岡市葵区のツバクロです。JR東海はここに工事で発生した土を置く計画です」

14日、リニアの静岡工区周辺を視察したのは、国のモニタリング会議のメンバー4人です。モニタリング会議は、リニア工事に伴うJR東海の環境保全の対策を継続的に確認していくために設置されたものです。

メンバーはトンネル工事で発生する土の置き場となっている静岡市葵区田代の「ツバクロ」の状況を確認しました。JR東海はおよそ14ヘクタールの広大な土地に工事で発生する東京ドーム3杯分に相当する土を置く計画です。

計画をめぐっては、静岡県は重金属を含む土砂を盛り土することは「盛土条例に違反する」と指摘してきた一方、静岡市は「盛り土のある無しが災害発生の危険度を必ずしも高めるとは言えない」と見解が異なります。

<JR東海担当者>
「発生土置き場がある場合の水位の高さがこちらでして、こちら(のシミュレーション)でも土石流による被害はなく、ほとんど影響がない」

JR東海の担当者はシミュレーションに基づいて、「災害発生のリスクは限りなく低い」などと説明しました。

会議の矢野弘典座長は、計画について一定の評価を示しました。

<静岡工区モニタリング会議 矢野弘典座長>
「現時点で想定できるあらゆるケースを取り上げて、その準備をしているという印象を強く受けました。(想定が)十分であるかどうかというのは、結果を見ないと分からないこともあって、今できる限りの範囲はしている、努力はしている」

矢野座長は山梨県で開始しているボーリング調査についても早急に視察したいとしました。

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