ソフトバンク、若手野手が躍動で12球団一番乗りで40勝到達 交流戦9度目Vにも望み

阪神に勝利し、タッチを交わすソフトバンクナイン(撮影・穴井友梨)

◆日本生命セ・パ交流戦 ソフトバンク2―0阪神(14日、みずほペイペイドーム)

ルーキーに待望の一発が飛び出した。0―0の5回2死二塁。廣瀨隆太が高めに浮いたツーシームを強振した。左翼テラス席へと飛び込むプロ1号2ラン。高めは自らの得意ゾーンだ。廣瀨は「今までの本塁打の中でも一番うれしかった」と喜びを爆発させた。

他球団の助っ人からもらったバットで放った一発だった。2軍での対戦時に1本、交流戦でさらに1本を贈ってくれたのは中日のビシエド。「ビシエド選手のような打者を目指している」と通算139本塁打の大砲への感謝を語った。

23歳のプロ初アーチをお膳立てしたのも若手だった。プロ初スタメンの4年目笹川吉康だ。伊藤将司から中前打を放ってプロ初安打。直後に初盗塁も記録した。笹川は「今までにない気持ちよさだった。ここからがスタート」と力を込めた。

若い戦力が競い合うように躍動。笹川には小久保監督も2軍監督時代から期待を寄せてきた。指揮官は「今日は若い力の活躍で勝てました」とほくほく顔だった。

柳田悠岐が離脱し、近藤健介も右手指の捻挫の影響で2試合連続DHでの出場となった。主軸が本来の状態でない状況でも12球団一番乗りで40勝に到達。敗れた交流戦首位の楽天とは1ゲームとなり、9度目の交流戦Vにも望みをつないだ。「自分たちができることだけしっかりやって、カード勝ち越しが一番の目標」。この勝利はチームが一丸となっている証しだ。(鬼塚淳乃介)

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