急性期から介護まで 富山西総合病院、診療強化へ北棟増築

増築された北棟=富山市婦中町下轡田

 富山西総合病院(富山市婦中町下轡田)は、病院北側の駐車場に北棟を増築した。外来や救急用の診察室や手術室を増やし診療体制を強化するほか、新たに介護医療院や療養病棟、屋上庭園を整備。急性期から介護サービスまでを一貫して担い、より地域や患者に寄り添った病院を目指す。21日に医療関係者向け、22日に一般向けの内覧会を開く。

 富山西総合病院は医療法人社団藤聖会(藤井久丈理事長)が運営し、2018年2月に診療を開始。内科、外科、小児科、リハビリテーション科など24の診療科目がある。外来の患者数が当初から約8割増え、診察室の数や待合スペースが手狭になっていた。

 北棟は鉄筋コンクリート造り5階建てで、延べ約8700平方メートル。外来用に新たに20の診察室を設け、手術室は3室増の7室となる。うち2室でロボット手術に対応できる。救急センターには感染症に対応可能な陰圧室を整備した。

 藤聖会グループの富山駅前ひまわり病院(富山市宝町)と八尾総合病院(同市八尾町福島)の病棟部門を集約し、入院病床は41床増の199床となる。介護医療院は要介護者の長期療養施設で、定員は48人。屋上庭園は約970平方メートルで、富山大芸術文化学部の学生がデザイン協力し、クレヨンで絵が描けるガラス製のキャンバスや植物の種をイメージしたベンチなどを設置する。

 22日の一般向け内覧会では、特定看護師による健康相談会などを行う。介護医療院は7月1日から、外来や救急部門は同8日から利用を開始する。

 藤井理事長は「人生100年時代。各部門が連携し、地域のハブ的な存在として、幅広い年代の患者をワンストップで受け入れられる体制を整えたい」と話した。

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